初解説の元横綱稀勢の里にみせた弟子の雄姿

初解説の元横綱稀勢の里にみせた弟子の雄姿

高安 元稀勢の前で栄冠掴む

初解説の元横綱稀勢の里にみせた弟子の雄姿

トーナメントに優勝しトロフィーを受け取る高安=10日、東京・両国国技館(撮影・菊本和人)

 初場所中に引退した元横綱稀勢の里の荒磯親方に後を託された高安が期待に応えた。初めてテレビ解説を務めた兄弟子の前でつかんだ栄冠。満員御礼の場内を万雷の拍手に沸かせ、「優勝というのは気持ちがいい」と充実感を漂わせた。

 2回戦から登場すると宝富士、千代大龍、碧山、栃煌山を退けて決勝に進出。決勝では嘉風を得意の左四つで組み止めて力強く寄り切った。万全の取り口に、「胸を合わせ自分の形にしてから出ようと思った」と口も滑らかだ。

 荒磯親方の前でふがいない姿をみせるわけにはいかなかった。引退会見で「上を目指してほしい」と横綱昇進に向けて発破をかけてもらいながら、初場所は9勝止まり。汚名返上となる優勝に、「期待に応えたい」と表情を引き締める。

 看板力士の自覚を感じさせる一日でもあった。白鵬、鶴竜の両横綱と大関豪栄道が初戦で姿を消す中、上位陣でただ一人奮闘した。大波乱で幕を開けたトーナメントをきっちりと締める千両役者の働きで、大関の責務をまっとうした。

 本場所での優勝はまだない。賞金250万円や副賞の黒毛和牛の使途をを問われると、「体を作る」とにっこり。「この優勝をきっかけにして来場所も頑張りたい」と力を込めた28歳が、飛躍への大きな一歩を踏み出した。(奥山次郎)

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