家電・家具付き物件って結局得なの? 損なの? 試算してみた

家電・家具付き物件って結局得なの? 損なの? 試算してみた

新居の家電・家具の購入費用を住宅ローンに組み込めば、手元にキャッシュを残せる

 不定期連載【PCとオカネ・3】  新築マンションや建売住宅のポスティングチラシやWeb広告に、「家電5点セット(テレビ・冷蔵庫・洗濯機・掃除機・炊飯器)付き」「家具・家電・照明付きオールインワン」などと記載されていれば、通常は、住宅購入費とは別に現金やクレジットカードで支払う家具・家電の購入費用を住宅ローンに組み込める。 筆者は、借入金額に応じた融資手数料や利子が発生する住宅ローンで家電を買うのは損だと思い込んでいたが、「家具・家電購入費用は総額200万円(セットに含まれる金額)」として試算したところ、後日、店舗やオンラインショップで家電を買うより得すると分かった(※店舗のポイント還元分は計算に含めない)。せっかくなので、シミュレーション結果を紹介しよう。
●4Kテレビ・冷蔵庫・洗濯機……新生活家電の総額を200万円で試算してみた
 「200万円」という金額は、住宅金融支援機構の2014年の調査結果「新築戸建て住宅取得者が住宅建築・購入後、おおむね1年以内に購入した耐久消費財の平均金額は201万円」を参考に、生活に欠かせない家電をほぼ全て新調すると想定して決めた。
 この調査の耐久消費財には、自動車(新車・中古車)、太陽光発電システムなど、平均200万円を超える高額商品が含まれ、それらが平均を押し上げているが、50万円超のプレミアムクラスの4Kテレビ、40万円弱の冷蔵庫や洗濯乾燥機などを選べば、十分にあり得る金額だ。
 今回は、住宅ローン控除の上限が50万円に増える認定長期優良住宅の認定を受けた、新築マンションの「家具・家電付きモデルルーム販売」と、土地を購入し、全居室エアコン・LED照明・カーテン付きで、4Kテレビ、冷蔵庫、洗濯機、ソファー、ダイニングセットの一式を揃えたヤマダホームズの「Felidia-el スーパーフル装備住宅」を建てるケース(戸建住宅)の2パターンについて、それぞれ試算した。計算式や試算条件は別表を参照してほしい。なお、計算は、「住宅ローン控除計算 @ローン計算」などのオンラインツールを利用した。
 まずは、すぐに新生活が始められる「家具・家電付きモデルルーム販売」のパターンをみてみよう。物件価格4700万円(200万円相当の家具・家電含む)、自己資金800万円、住宅ローン借入金額3900万円(家具・家電付き)の場合、当初10年間の支払額の合計は約888万円となり、住宅ローンの借入金額を3700万円に下げ、別途、200万円分の家具・家電を購入するより、期間中の支払額は少ないという結果になった。
 ここから、借入金額に応じて変動する住宅ローン関連の諸費用の差額(約5万円、実際は銀行・条件によって異なる)を差し引くと、差は約6万円に縮小するが、それでも「家具・家電付き」のほうが当初10年間の支払額は少ない。
 今回の試算では、「家具・家電購入費用200万円」をローン年数と同じ35で割り、その10倍を加算している。実際には一度に全額払うため、本来の差(家具・家電購入費用200万−10年間に支払った利子の差)は「約148万円」となった。つまり家具・家電付きなら、10年経った時点では、150万円近く、手元に多く現金を残しておけるので、資金繰りの観点でみるとかなり魅力的といえるだろう。
 戸建住宅は、土地代・建築費あわせて総額5600万(家具・家電付き)/5400万(家具・家電なし)円、自己資金1000万円、住宅ローン借入金額4600万円(家具・家電付き)/4400万円(家具・家電なし)で試算すると、当初10年間の支払額の合計は家具・家電付きが約1040万円、家具・家電なしが約1052万円となり、約12万円(住宅ローン諸費用の差を反映すると約6万円)ほど、やはり「家具・家電付き」のほうが少なかった。
●ヤマダ電機が住宅分野に参入した理由が見えてきた
 家とセットとなる家電・家具は選択不可か、いくつかの指定品から選ぶことになる。ただし、ヤマダホームズの家具・家電付きオールインワンパッケージ「Felidia-el スーパーフル装備住宅」の場合、1ポイント1円相当で使える「ヤマダポイント」での提供となるため自由に選べる。ヤマダ電機グループならではの企画といえるだろう。ちなみに一般的なハウスメーカーや工務店でも、条件によっては、照明・エアコン以外の家電の購入費用を住宅ローンに組み込めるそうだ。
 この試算結果をみると、家電量販店業界の売上高第1位のヤマダ電機が異業種の住宅分野に進出した理由は、住宅販売の現場で「住宅ローンに組み込める」というセールストークで、より高額な家電を売り込むためだとうかがえる。うまく回れば本業の家電販売に貢献すると見込んだからだ。
 今回、試算したロジックは、史上最低水準の住宅ローン金利(変動金利0.4%〜)と、持ち家取得を支援するための国の制度「住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)」を前提としたもの。低金利が続く限り成立する、高額な最新家電の賢い買い方の一つとして覚えておこう。(BCN・嵯峨野 芙美/ファイナンシャルプランナー)

関連記事(外部サイト)