スポーツ選手のSNSは「諸刃の剣」 ファン交流は深まるが、自主トレ場所の特定リスクも

スポーツ選手のSNSは「諸刃の剣」 ファンとの交流は深まるが、居場所の特定リスクも

記事まとめ

  • スポーツ選手がネットを利用しファンに向けて発信するようになったのは90年代後半から
  • フェイスブックなどSNSの出現で、実生活を披露することでファンとの距離感が縮まった
  • その一方で、サイン目当てのファンの中には自主トレ情報をSNSでチェックしている人も

スポーツ選手のSNSは「諸刃の剣」 ファン交流は深まるが、自主トレ場所の特定リスクも

スポーツ選手のSNSは「諸刃の剣」 ファン交流は深まるが、自主トレ場所の特定リスクも

スポーツ選手のSNSは「諸刃の剣」 ファン交流は深まるが、自主トレ場所の特定リスクもの画像

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)機能の悪用による被害が相次ぎ、社会問題化している。

今年に入ってから飲食店のアルバイト店員がSNSで不適切な動画をアップする行為が続出。これらの行為に歯止めがきかない現状だが、SNS利用に関してスポーツ界でも警鐘を鳴らす関係者も。SNSがスポーツ選手にもたらすメリット、デメリットとは? J-CASTニュースがスポーツ選手のSNS問題に迫る。

ファンサービスとしては重要だが...

スポーツ選手がインターネットを利用してファンに向けてメッセージを発信するようになったのは1990年代後半から。当時はまだツイッターやインスタグラム、フェイスブックなどがなく、情報発信の手段として選手個人のブログが主なものだった。当時のブログはリアルタイムの情報を発信するというよりは、日記的な要素が強く、現在のものに比べるとのんびりしたものだった。

2000年代に入ると、フェイスブック、ツイッターの出現によりSNS事情が激変する。その手軽さゆえに多くのスポーツ選手がこれらを利用するようになり、発信される情報はよりリアルタイムに近付き、画像や動画を添付することで実生活の一部を披露することでファンとの距離感がぐっと縮まった。

プロスポーツ選手にとってファンサービスは欠かせない重要なもので、SNSはファンとの交流のツールとして実に有効なものとなる。だが、その一方でSNSの利用法をひとつ間違えれば、拡散力の大きさからつぶやきの言葉ひとつで、発信者は被害者にも加害者にもなりうる。いわば諸刃の剣である。

サイン目当てで、自主トレ場所の特定も

プロ野球では今オフ、選手のサインをねだる一部ファンのマナーが問題視されている。先日、メディアで報じられたのが、自主トレ中のプロ野球選手にサインをねだったファンが、サインをもらえなかったためSNSでその選手に対して暴言をはいたもの。これに対して当該の選手がSNSで苦言を呈し、野球ファンに対してマナーの順守を呼びかけた。

関係者の話によると、プロ野球選手の自主トレにファンが集まるようになったのはここ10年のことだという。巨人や阪神などの人気球団のスター選手となれば、新聞やテレビで自主トレの様子が報じられるため、トレーニング場所をファンが特定するのはある程度容易であった。ただ、あまりメディアで取り上げられない選手でもSNS上でトレーニングの模様を発信すれば場所を特定されやすく、サイン目当てのファンの中には選手の自主トレ情報をSNSで常時チェックしているものもいるという。

過去には、国内で起きた女子高生の殺害事件について、あるプロ野球選手が「自業自得だ」とツイートし社会問題に発展したことも。2018年6月には巨人の若手選手の不適切な動画が流出する騒ぎが。これが影響してのものか不明だが、巨人・原辰徳監督(60)は、選手のSNS利用に苦言を呈しているとの一部報道もある。

世界のスポーツ界にも広がるSNS被害

海外でもスポーツ選手によるSNS被害が後を絶たない。近年、スポーツ選手のSNSの乗っ取りが横行し、社会問題化している。アカウントを乗っ取られた選手の中には、なりすましのツイートによりドーピングの疑惑をかけられたものや、他国の国旗の画像を貼り付けられて国をまたいでの騒動に発展するなど、甚大な被害を負ったケースもある。

スポーツファンにとってSNSは選手の私生活を垣間見ることができ、交信することも可能な魅力的なツールでもある。なかでも日本国内での情報量が限られる海外で活躍する日本人選手のSNSは、情報を求めるためのフォロワーが多く、MLBのダルビッシュ有投手(32)のツイッターのフォロワーは200万人を超え、田中将大投手(30)は150万人以上のフォロワーを誇る。

近年、スポーツ選手がSNSで自身の意見を発信することが常識的になっており、SNS上でメディアの誤報や報道姿勢を指摘する選手も。今や選手とファンをつなぐための欠かせないツールとなるが、その利用法を誤ればとたんに「炎上」騒動を招くことになる。SNSによる事件が社会問題化される今、スポーツ界でも真剣に向き合う時期にきたのかもしれない。