孤立する高齢者、地域でどうケアする?
2009年10月21日(水)19時3分配信 医療介護CBニュース
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初日のパネルディスカッション「市民主体の介護保険を考える」では、介護保険の課題や介護の社会化、市民参加といったテーマについて、利用者や介護をする家族、ケアワーカー、自治体職員などが話し合った。
86歳の母親を介護する高木悦子さんは、要介護2であれば週3回のデイサービスの利用で保険の限度額がほぼ埋まると言う。母親がデイサービスにいる時間は助かっているが、介護保険制度は制約が多く、本当にお願いしたいことができないという声も自分の周囲にあるといい、「(介護保険で可能なことの)線引きが納得できず、悩んでいる家族も多いと思う」と述べた。
また、利用者の声もビデオ映像で発表された。埼玉県深谷市に住むTさん(74歳、女性)は、3年前に夫を亡くして現在は独り暮らし。収入は年金と遺族年金を合わせて7万円程度で、2007年5月に要介護1から要支援2に区分変更されたことから、自費でヘルパーを利用している。心臓疾患や静脈瘤などの持病があり、今年5月に動けなくなるほど痛みがひどくなったため、区分変更を申し込んだが、認められなかったという。Tさんは「独り暮らしで誰にも助けてもらえない人を、助けてもらえるようにしてほしい」と語った。
シンポジウムではまた、介護保険でカバーできない部分を補う事例として、「岡山県高齢者福祉生活協同組合よもやま」による高齢者の支え合い活動が紹介されたほか、男性が介護をする上での悩みなどを相談し合う「荒川区男性介護者の会」の状況、高齢者ケアなど地域の課題解決のために、区民がネットワークを結び、自主的に取り組めるようコーディネートする墨田区の「協治によるまちづくり」の取り組みが紹介された。
コメンテーターとして参加した厚生労働省老健局総務課の千田透課長補佐は、「孤立と貧困が重なると社会病理につながる」と指摘。高齢者の住まいについても「国民年金だけしかもらえない場合、どこに住むのか。生活保護もなかなか受け入れてくれない状況の中、コミュニティーとしてどうケアしていくのかが問題になる」と述べ、地域の住民にも問題意識を共有してもらい、地域を変えていく必要があるのではないかとした。
司会の高齢者生活協同組合連合会の坂林哲雄専務は、コミュニティーケアを実践する仲間は多く、横のつながりを結ぶことが大切とし、「ケアワーカーが介護の世界に閉じこもることなく、一歩外に出て、地域そのものを耕すような活動につながれば、もっと自分たちも元気が得られるのではないか」と議論をまとめた。
■4万円をどう介護報酬に位置付けるか
シンポジウムでは、会場から介護従事者の処遇改善について質問があった。千田課長補佐は、介護職員処遇改善交付金が10月から始まり、「政府・与党もさらに4万円についての処遇改善を考えているところ」と説明。来年度予算の概算要求には盛り込めなかったが、この4年間で介護従事者の処遇改善を行う制度になるのではないかとの考えを示した。
その一方で、介護報酬にどのように位置付けるかが難しいとし、「介護職員処遇改善交付金は、事業者が(職員に対し)現金で支給する仕組みになっているが、実際どのように(介護報酬上の)制度にするかは、まだ議論していない」と述べた。その上で、介護職員処遇改善交付金の活用と適正な支給を求めた。
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