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経済総合

高速料金「上限1000円」 地方にもたらした意外な弊害

2009年9月29日(火)11時26分配信 J-CASTニュース

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福岡シティループバス「ぐりーん」の運行間隔が広がるなどの影響が出ている [ 拡大 ]

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   「上限1000円」の高速道路料金割引制度が、地域住民の足を奪おうとしている。高速道路割引のあおりで、収益の柱である高速バスの利用者が激減し、これまでのように高速バスが路線バスの赤字を補てんすることができなくなっているためだ。民主党は高速道路の原則無料化を打ち出しており、地方では「住民生活への影響は深刻だ」との懸念が強まっている。

高速バスの黒字は急速に減少

   西日本鉄道(福岡市)は2009年9月28日、ダイヤを改正し、福岡都市圏を走る一般路線バスの大規模な減便に乗り出した。減便となったのは一般路線バス31路線で、1日最大139便。今回のダイヤ改正で増便はなく、減便だけ実施するという極めて異例なものだ。減便の主な対象は、博多駅と郊外とを結ぶ、運行本数が比較的多い路線が中心で、西鉄は「できるだけ利用者に影響を与えない路線を選んだ」とする。しかし、市内中心部を100円で走り、買い物客らに人気の「100円循環バス」や、観光地をまわる福岡シティループバス「ぐりーん」の運行間隔が広がるなど、利用者に与える影響は決して小さくない。

   西鉄が大幅な減便に踏み切った最大の背景は、ETC(自動料金収受システム)搭載車を対象とした高速道路料金割引制度だ。08年秋以降の急速な景気悪化で、高速バスの利用者は減少傾向にあり、西鉄では前年同期比3〜4%減に落ち込んでいたという。こうした厳しい状況に、春に始まった高速道路料金割引が追い打ちをかけた。マイカー客が増加し、高速バスの客離れが急速に進んだ。西鉄では、09年夏のゴールデンウイーク、お盆期間ともに、高速バス利用者は前年同期比1〜2割の大幅減。他の地域の業者も、程度の差こそあれ傾向は同じだ。

   西鉄の高速バスの収益は高く、一般路線バスの赤字を補てんする存在だった。しかし、利用者の急減に伴う収入減で、高速バスの黒字は急速に減少。赤字が続いている一般路線バスの減便に手をつけなければ乗り切れない状況に陥った。

無料化実施なら打撃はさらに大きく、路線バスへの影響も必至

   今回の減便などで、西鉄は年間約3000万円の経費削減を図る計画だ。また、9月のシルバーウイーク期間中、高速バス料金を最大38%値下げして顧客を呼び込むなど、さまざまな工夫を重ね、なんとか収益を改善させようと必死だ。しかしうまく改善しなければ、減便対象が福岡都市圏だけでなく、より広範な地域の路線バスに広がる可能性もある。さらに「減便だけでなく、地方の一般路線バスの廃止も検討せざるを得ない」(関係者)との声も聞こえる。

   今はまだ限定的な高速道路割引制度。民主党が掲げる「原則無料化」が現実になれば、高速バスが受ける打撃はさらに大きく、路線バスへの影響も必至だ。「地方では路線バスが高齢者らの生活の一部になっているケースも多い。住民の生活を脅かす政策は何の意味もない」(関係者)との声も高まっている。








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