不振続く自動車業界でひとり気を吐くガリバー「常識外れのビジネスモデル」
2009年10月11日(日)13時0分配信 MONEYzine
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消費不況で自動車がなかなか売れない時代にあって、ひときわ存在感を放っているのが、ガリバーインターナショナルだ。
2009年2月期の決算では売上、純利益ともに減少したものの、2009年8月時点での直営店の販売台数は、前年を18ヵ月連続で上回り、素早い回復を見せている。先月末には10年2月期利益予想を上方修正。連結営業利益を50億円から80億円、連結当期利益は23億円から34億円に増額した。苦戦が続く自動車業界にあってなぜ同社は強いなのか。
「クルマの流通革命」を標榜する同社だが、実際にその「中古車買い取り専門」というビジネスモデルは中古車業界の既存の概念を打ち崩すものだった。買取専門店のパイオニアとして誕生した同社は、買い取った車の展示販売はいっさい行わず、オークション会場に売却するという独自のビジネスモデルを確立させた。創業者の羽鳥兼市氏は、中古車販売業界のイメージの悪く、販売業者がうさんくさいと思われていると感じたことから、透明性を確保するために全国一律の価格で買い取り、客からこつこつと「信頼感」を得てきた。本部で集中管理したシステムで正確に評価するため、中古車販売店オーナーの主観的評価はいっさいなく、査定価格にぶれがないのが強みだ。
こうした新しいビジネスモデルに追い風となったのが、90年代から始まった中古車市場の拡大、そして全国規模で進んだオークション会場の整備だった。98年に店頭公開を果たすと事業は急ピッチで拡大を始めた。00年12月には市場最短で東京証券取引所2部に上場、03年8月にはついに東証1部に上場した。
しかし革命はここで終わらない。同社が次に試みたのが、通信衛星を活用した画像による車販売システム「ドルフィネット」の運用開始だ。店舗で買い取った中古車は、オークションに出品するまでの数日間、実質的に在庫となる。これらの在庫をデータベースへ登録し、ネットワーク化することで仮想販売展示場をつくり出したのだ。
ユーザーにとってのメリットは全国どこからでも欲しい車を検索し、購入できるようになったこと。買い取った中古車は基本的にはオークション会場まで陸送されるが、その間に「ドルフィネット」を見た業者や一般ユーザーからオーダーが入れば、本部から輸送車に連絡が入り、そのままオーダーをしたユーザーへ届けられるシステムだ。
今では無店舗で年間約4万台を販売し、端末は全国約2万カ所に設置するまで拡大した「ドルフィネット」だが、開始当初は同業他社からは「そんなものうまくいくわけがない」と酷評された。実物を見ずに端末の画像だけを見て、車が売れるはずがないと思われていたからだ。
新車市場ではあるいは普及が難しかったかもしれない「ドルフィネット」だが、中古車市場ではユーザーのニーズをつかんだ。しかもオークション会場での卸売りより利益率は高い。事業展開を「ドルフィネット」にシフトしていった結果、3-8月期の直営店での中古車の小売台数が前年同期比55%増となっている。
経営が早期回復に向かっている理由はこうした同社の常識外れのビジネスモデルが効いている。売上高のほとんどを中古車市場に依存しているため、再び中古車市場が大きく縮小した場合のリスクも残るが、新車販売市場も回復してきていることから、来期以降の回復持続の期待も高まっている。
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