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経済総合

「銀行株下落の真相」と「亀井静香の腹の中」 【日経新聞の読み方】第9回

2009年10月20日(火)9時0分配信 MONEYzine

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藤本 誠之[著]

 まいど! 相場の福の神・藤本誠之です。10月に入り、マーケットが大きく崩れ、日経平均はふたたび1万円を割りました。すぐに1万円の大台に戻しましたが、今回の下げは、野村ホールディングスの公募増資発表が主要因で、金融株全体が大きく崩れたためだと、私・藤本は思います。なぜそこまで、金融株全体の相場が崩れたのでしょうか? 今回は、野村ホールディングスの公募増資の背景からお話を始めましょう。

■投資家にとっての、『予想外の展開』

 まず、昨年のリーマンショック後に行われた金融系銘柄の公募増資についてご説明しましょう。【8306】三菱UFJフィナンシャル・グループ、【8604】野村ホールディングス、【8316】三井住友FG、【8601】大和証券グループ、【8411】みずほFGが順番に公募増資を行ったのですが、これはリーマンショックなどの損失で低下した自己資本比率を回復することが目的でした。

 なので、一通り公募増資して資金調達してしまえば、今回の金融危機をなんとかやりすごせるだろうというのが、大方の見方だったのだろうと、藤本は想像しています。それで、順番に公募増資を行い、三大メガバンクと大手証券の公募増資が打者一巡となっていました。公募増資が一巡したので、ココから、金融株相場の再生が始まるはずでした。

 ところが、自己資本の構成内容に関する規制を欧米並みに強化しようという動きが、ここにきて出てきました。欧米では自己資本の中の基本的項目であるtier1(普通株などの資本金・法定準備金・利益剰余金など)の比率が日本よりも高くなっています。が、日本の銀行の自己資本にはtier2に分類される優先株や劣後債も多く含まれているので、実はtier1の割合が低めです。

 アメリカでは、リーマンショック後、金融業界はものすごいダメージを受けたので、公的資金でどんどん普通株を買ってもらい、自己資本のうちtier1の割合が高くなっています。

 ここでずるいことに、欧米が「世界的に信用がある金融機関であるためには、tier1の割合が多くなければ」と口を揃えていうようになってきました。ということで、世界で闘うためには、日本の金融機関も公募増資して、自己資本比率のtier1の比率を上げないわけにはいかないですね。

 だから、「一巡目で終わると思ってた」ところに、いきなり二巡目に入るという予想外の展開となれば、当然、びっくりしますよね。しかも、二巡目があるとしても、しばらく時間はあるだろうし、まずはメガバンクからだろうと思っていたのに、野村HDだったものだから、びっくりして売ってしまうのも無理はないかな、と思います。

■公募増資のウラをサキヨミ

 しかし野村がなぜここで自己資本比率を厚くしようか考えてみると、これは将来の動きのための伏線と見てもよさそう。以前にもお話した通り、野村證券は来春、第一生命の主幹事会社となりそうです。ここから藤本のサキヨミが始まります。

 第一生命の主幹事会社となっても、引き受けるのは数千億円程度から最大でも一兆円強のみ。だから、自己資本比率を気にするほどの金額にはならなそう。

 それなのにまたまた公募増資をするということは、うがった見方をすれば、この先、自己資本比率を高くしておかなければいけない事態が起こり得るんじゃないか、と。

 その事態というのはつまり、「日本生命の株式会社化・新規公開の主幹事を引き受けるかも」というヨミ。「再度の増資をサキヨミすると、新たな可能性が考えられる」というのが、福の神・藤本の方程式なのです。

 それにしても、【7261】マツダ、【4004】昭和電工、【4043】トクヤマなど、公募増資してる会社は、いろいろありますよ。銀行にお金を借りるのでなく、株券を発行して証券会社に売ってもらうものなので、証券会社の都合を考えると、どこもかしこもというわけにはいかない。だから、「早く申し込んだ者勝ち」「言った者勝ち」「声のデカい者勝ち」 。

 ある程度の資金が得られれば、現在のような経済環境では、いろいろに使える可能性が出てきます。株価が上がらないうちに時価総額の小さな会社を呑み込むなどのM&Aも考えられます。ですから、同じ早い者勝ちなら、体力のある会社の場合は、手元の資金を厚くしておきたいという心理が働いているんちゃうかな、と思います

■亀井大臣は「赤鬼さん」なのか

 銀行といえばもう1つ、亀井大臣の発言を気にしている方も多いのではないでしょうか。








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