<チーム・スピリット>使うだけでエコになる!充電池「eneloop」誕生まで 後編
2009年5月20日(水)10時5分配信 @niftyビジネス
使うだけでエコになる!充電池「eneloop」誕生まで 後編 [ 拡大 ]
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前編では、ニッケル水素電池の新しい市場を探り、乾電池と同じ感覚で使える充電池の開発を目指したことを述べた。また、そのための基礎研究に成功したこと、技術部門から他部門にも、チームの輪が次第に広がっていったことを紹介した。後編では、正式なプロジェクトチームが発足し、山積みの課題を解決していくダイナミックなチームの動きを取り上げる。2005年11月14日の発売予定日まで、あと3カ月。eneloopプロジェクトチームの奮闘ぶりを追う。
時間がない!
2005年8月に、eneloopプロジェクトチームはコーポレートプロジェクトに昇格した。とにかく3カ月という限られた時間のなかで、技術部門では最終仕様を固めて量産準備にとりかからなければならなかったし、営業部門では営業・販売・広報などの戦略を詰めなければならなかった。そして、売れ行きに大きくかかわる要素、デザインも全く決まっていなかった。
強化事業推進本部
エループユニバース事業推進グループ
担当課長
水田一久氏
まず、商品を誰に向けて届けるのかが議論された。eneloopは購入後すぐに使えて、しかも約1000回充電できる。環境面だけでなく、本当に役に立つこの充電池の魅力は、今まで電池の種類を考えたことがないような主婦にも伝わる、とメンバーたちは考えた。
そうすると、例えばコンビニなど、これまで充電池を全く扱わなかった販売チャネルの開拓も必要となる。これまでの常識が通用しないなかで、白紙の状態から言いたいことを言い合って、メンバーたちは密度の濃い議論を闘わせた。
このプロジェクトチームでチーフ・デザイナーを務めた、強化事業推進本部 エループユニバース事業推進グループ 担当課長の水田一久氏は、1回目の会議での驚きを話す。「どれだけ魂を込めてこの製品を開発したのか、田所さんをはじめとした技術部門の人たちに本当に熱く語られました。私も見事にその熱気に乗せられてしまったのです」。
当時の電池は各社パワーを競い合っていたため、あれもこれもと要素を詰め込む「足し算のデザイン」になっていた。これに対して水田氏が提案したのが、「引き算のデザイン」だった。
そのときのデザイン・ワークについて、「静かだけどそこに限りないパワーが詰まっている感じを表現するために、電池本体は白を基調に、そこにブルーのロゴが入るだけのシンプルなものにしました。また、本体だけでなくパッケージも捨ててほしくはなかったので、ブルーを基調にシンプルにまとめ、使った後も置いておきたいデザインにしたのですが、これでは電池だと一目で分からない、とチーム内で大論争になったのです」と水田氏は語る。
大激論が交わされたeneloopのパッケージ・デザイン