<オーディオブック著者インタビュー>「新しい時代の胎動をキャッチせよ!」松永真理氏インタビュー【後編】
2009年6月25日(木)10時0分配信 @niftyビジネス
「新しい時代の胎動をキャッチせよ!」松永真理氏インタビュー【後編】 [ 拡大 ]
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松永真理氏の25年の仕事エッセンスを凝縮した『シゴトのココロ』が、ご自身の朗読のもとオーディオブックになりました。朗読を通して学んだワザをさっそく文章に生かしているという松永氏はいつも前向きで、ポジティブなオーラがキラキラと輝いています。後編となる今回は、管理職の面白さ、チャンスをつかむにはどうすればよいのか、そして未曾有の不況をチャンスに変える大胆な発想法などを語っていただきました。こんな時代にも元気になれる処方箋がいっぱいです。
ビジネスの苦労は報われる
―「管理職になりたくない」という声を、最近よく聞きます。リクルートで編集長を歴任し、現在は(株)バンダイの取締役である松永さんは、どう思われますか?
松永 私は、管理職になることをはじめから切り捨ててしまっては、キャリアパスも描きにくくなるし、組織で働く面白さが半減するのではないかと思います。必ずトップを目指せと言いたいわけではありませんが、せっかく組織に入るのなら、上を目指して、チャレンジして、失敗して、そこから学ぶ楽しみを放棄するのはもったいないですね。
―よく、管理職に就くと視点が変るといいますね。
松永 それは、その通りなんです。高いポジションに就くと経営の情報も入ってくるし、視野は広がるし、判断もよりシャープになっていきます。管理職って、面白いですよ!
―組織には、組織で働く魅力があるのですね。
松永 私は、組織はプラットフォームだと思っているのです。いろいろな場所から電車が来て、人が乗り継いで、それぞれの目的地に向かって出発していく。そこで人やモノや情報が行き交い、新しいビジネスが生まれます。独立してみてしみじみわかったのですが、そのリソースの大きさとダイナミズムが組織の魅力なんですよね。
確かに組織では人間関係の悩みは尽きないし、よくもまぁこんな人がいるなと思えるほど意地悪な人にも会いますけど、なぜそんなに意地悪なのかとその人をよくよく観察してみると、その人の方がかわいそうな境遇にいたりするものなんです。そうした人々と付き合っていくことで、自分の人間性も鍛えられますよ。
努力がチャンスをつかまえる
―転職についてはどうお考えですか?
松永 転職が成功するかどうかは、本人の信念によると思います。日の当たるところに行くから日が当たるわけではありません。例えば野球で言うと、当時、最下位だった楽天に入団しても田中投手は輝いていましたし、今でも大活躍していますよね。勝ち組、負け組という分け方がナンセンスなのは、ずっと勝ち組なんて人はいないからです。日の当たらないところで信念をもって鍛練した人に、日が当たるんだと思います。
―松永さんご自身にも、日の当たらない時代はありましたか?
松永 もちろんです。最初は入りたかった編集部には入れず、上司とも合わず、入社2日目で「ここにいてもしょうがない」と思ったくらい(笑)。だけど、いつか来るチャンスに備えて、興味のある記事のスクラップを黙々と作っていました。
ちょうどそのころは、日本初の「婦人白書」を坂東眞理子さんが執筆したりと、女性が台頭してきた時代でした。私も女性ということで就職に苦労したので、女性が活躍している記事を見つけると、なんとなく嬉しくてスクラップしていました。その「女性ファイル」が3冊になった1980年、リクルートで女性専門の就職情報誌「とらばーゆ」が創刊されたのです! そのファイルを抱えてまっさきに手を挙げ、編集部に配属されました。
―「女性ファイル」を作っていた日陰の努力が認められたのですね。
松永 そうなんです。まさに日の当たらない時代の蓄積が、チャンスに繋がっていくんですね。坂東眞理子さんにも当時すぐに取材に行き、それ以後20年以上のお付き合いです。その坂東さんだって、2006年に『女性の品格』が大ヒットするまで、総務省で働くかたわら、何十年もコツコツと本を書き続けてきた人なんですよ。結果ばかりを求めずに、日ごろ蓄積を続けることが大切だと思います。それと、恐れずにチャレンジすることですね。