<チーム・スピリット>麦芽を使わずスッキリ味で勝負!「ドラフトワン」誕生ストーリー 前編
2009年7月1日(水)9時30分配信 @niftyビジネス
麦芽を使わずスッキリ味で勝負!「ドラフトワン」誕生ストーリー 前編 [ 拡大 ]
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サッポロビールの「ドラフトワン」は、麦芽以外の原料でつくったビールテイストの発泡アルコール飲料である。2004年2月に全国発売され、ビール、発泡酒に続く「第3のビール」のパイオニアとして、瞬く間に新たな市場を切り拓いていった。麦芽も麦も使わないこの常識外れの商品は、どのようにして生み出されたのか? 開発チームの核となったキーパーソン2人に話を聞いた。
若い世代は「苦み」が苦手
世の中がどんどん「甘く」なっている。といっても、これは味覚の世界の話だ。例えば野菜にしても甘くマイルドな品種がもてはやされ、今の若い世代の多くは、苦みやえぐみといった癖のある味をあまり経験せずに育ってきた。ビールに比べて苦みや麦の匂いを抑えた発泡酒の消費量が伸びる原因の一つに、こうした味の好みの変化がある。
SCM本部 購買部長
柏田修作氏
1998年4月、静岡県焼津市にある醸造技術研究所の生産技術部長に就任した柏田修作氏(現・SCM本部購買部長)は、ビール開発技術者として危機感をずっと抱いていた。「ビールは、古い歴史を持つ人類の誇るべき文化です。だからといって、若い人にいきなりこの苦みを押し付けても受け入れてもらえません。そこで、苦みや麦の匂いが少ないスッキリ味の新商品を開発し、ビールを敬遠している人にも飲んでいただいて、最終的にはビールのおいしさも分かるようになってほしい、と前々から考えていました」と、柏田氏は当時の心境を語る。
ちなみに、ビールの味を変えるには、原料を変える、製法を変える、酵母を変える、という3つの方法しかない。発泡酒は麦芽の使用率は抑えてあるものの、ビールらしさを残すために、やはり原料には麦芽が使われている。しかし、こうした麦芽の量を減らすやり方で、苦みや香りを取るのはどうしても限界がある。
ある日の出勤途中のバス停で、柏田氏は究極のアイデアにたどり着く。「麦芽が苦みを生むのであれば、原料そのものを変え、麦芽を使わないでビールテイストの醸造酒をつくればよい」(柏田氏)。それは、まさに天啓のように、柏田氏の頭のなかでスパークしたという。1999年の12月のことである。
柏田氏は若手社員のころ、ベルギーで醸造技術を学ぶ海外研修を経験し、そこで様々な原料からアルコール飲料をつくる現場を目の当たりにしていた。ビール開発技術者でありながら、麦芽も麦も使わないという発想は、当時の常識からは逸脱していたが、若い日のこんな体験が、ここ一番で生きたといえる。
2004年2月に全国発売された初代の「ドラフトワン」