火をつける指示書―三菱ケミカルHD社長 小林喜光
2009年11月4日(水)13時0分配信 プレジデントロイター
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光ディスクなどを製造するメディア部門のグループリーダーだったとき、2億円を調達して射出成型機を買うべく起業計画書を書いた。37歳だったと思う。
ところが、一読した当時の研究所長は、「おい、これじゃ全共闘の文章だ」。文面には“絶対やるべし”などと感情的な言葉が並んでいた。所長は、「本社の官僚的な組織にいる人間にこんなのを読ませたら、経営会議に上げてもらえるわけがないだろう。あくまで淡々と、事実だけ書け」と、計画書に赤字を入れてくれた。
論理のない情緒は、組織の中では意味をなさない。指示は、いかに論理的かつクールであるかが肝心で、数字も明確であるべきだ。
例外をつくらないことも、指示する際に重要なことだ。しかし、勝負と感じたときは、当人なりに解釈させて、例えば接待費も大きく使わせればいい。どんなに明確な指示を出しても響かない人は必ずいるが、関わるだけ無駄だ。パッと響く人に指示を集中させる。そのためには、ときに組織のラインを無視してもいい。自分の頭越しに指示が飛ぶようなら、憤るよりも信頼を得ていないことを恥ずべきだ。