「強い交渉者」が直面するリーガルリスクとは
2009年11月6日(金)11時0分配信 プレジデントロイター
-PR-
取引で「強い立場」にいても、何でも望みどおりにできるわけではない。アメリカでは、裁判所が「弱者」を守るために長年にわたって積み重ねてきた判例がある。日本企業にも大いに参考になろう。
交渉で強い立場にいることは、濡れ手で粟の利益を保証してくれるわけではない。法的規範が3つの基本的なやり方で強いほうの行動を制約するおそれもあるのだ。
第一に、取引条件が一方的すぎると思われる場合には、裁判所は弱い側を守るために取引条件を不当とすることがある。第二に、裁判所は契約の中に弱い側に有利な新たな条件が暗に含まれている、と解釈することがある。第三に、強い側が交渉力を乱用するのを防ぐために、裁判所は手続き的な制約を課すことがある。
(1)取引条件を不当とする
裁判所は、自主的な売り手と自主的な買い手によって合意された条件に異を唱えることには消極的な姿勢をとってきた。しかし、交渉プロセスの結果が「非良心的」である場合には、裁判所が介入することがある。
1960年代の有名な裁判で、ワシントンDCの巡回裁判所の著名な判事、スケリー・ライトは、強い側に「不当に有利な」条件を受け入れるか拒否するかの実質的な選択権を弱い側が持たない場合、契約条件は拘束力を持たないことがあるという判断を示した。