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経済総合

究極の節税法「パーマネントトラベラー」(4)

2009年5月21日(木)21時58分配信 ゆかしメディア

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■PTは間違ってもフェラーリに乗ってはいけない?

 着飾って、フェラーリやランボルギーニなどの高級車に乗ってパーティーに出かける。そして地元のマスコミや、さらには海外から集まったパパラッチに狙われる。そうするうちに、祖国の税務当局から隙あらばと目をつけられる存在になる。やましいことが一切なかったとしても、気分が良いものではない。

さらには、住民の目も厳しいものとなり、プライバシーなどなくなる。過去にはこんな著名人のパーマネントトラベラー(以下PT)もいたというが、今度は人目を逃れるためだけに永遠の旅をすることになってはシャレにならない。今回は最終回となるが、こんなPTにならないための心得を考えていきたい。

 では基本的な心得とは何か。日本のPT研究の第一人者・木村昭二氏は、こう見ている。

 「あまり派手にしていると、パパラッチに追い回されたり、税務当局も何か脱税をしているのではないかとマークします。本当のお金持ちは日本でもそうですが、服装や車、普段の行動は地味です。車何かは日本車の10年以上も経っている車に乗られている方も多いです。ベンツやポルシェやフェラーリには乗らないで日本車に乗ってらっしゃいますね。本当の富裕層は巨匠のファインアートの絵画を多数所有していたり、寄付をしたりで、人の目に付かないところでお金を使っていらっしゃるのではないでしょうか?」

 日本にいた時よりも派手に、という生活スタイルは避けた方が良さそうだ。意外に人目を忍ぶという苦労もあるようだ。

■タックス・ヘイブン監視強化も怖くない

 PTは海外で生活を送るために、資金を日本から海外に送る必要が出てくる。ただし、海外送金も制度が変わって、以前ほどは容易ではないようだ。

 木村氏は「確かに、平成21年4月1日より、海外送金の金融機関の税務署への報告基準が200万円から100万円へと引き下げられました。しかし、これを持って海外に財産を移すことを禁止しているわけではありません。資金とともに人も国外に移れば色々なライフスタイルはあると思われます」という。

 またOECD諸国が、タックス・ヘイブンに対して監視の目をさらに光らせることで、国際的な共同歩調を取り始めた。

 「OECDが再び有害なタックス・ヘイブン国のリストを作成したり、オバマ政権がタックス・ヘイブン乱用防止法(Stop Tax Haven Abuse Act)の制定を検討しているように、世界的に、先進国の居住者がタックス・ヘイブンを利用して脱税する行為を徹底的に取り締まろうという風潮になっています。日本もスイスとの租税条約改定や、香港、マカオ、モナコとの租税条約締結を検討し始めており、日本居住者の海外を利用した脱税の取り締まり強化を打ち出しています。しかし、PTは当該国の居住者ではない非居住者の身分ですので脱税にはなりません。つまり、これらの取り締まりの対象外ということになります。租税回避地の風当たりが強くなればなるほど、日本人のタックス・ヘイブンの利用は益々PTでなければ難しくなっていくでしょう。きちっと法令を守ってPTをやれば、世界的な脱税摘発の動きに対しても問題はないと思います」

 OECDの方針は、あくまで不正な行為に対してのもので、まっとうな人に対してその矛先が向けられるというものではない。あなた自身は、あくまで法令を守ってまっとうにPT生活を送っていれば、何の問題もないということだ。

 では、最後にPTの社会貢献を紹介する。

■世間はPTをこう見ている

 前回、5つのフラッグ(国)という概念を紹介した。これは、目的に応じて一定の期間内に納税義務が生じずに「非居住者」となるように目的別に応じて、各国を飛び回るという考え方だ。ただし、世間は自分ひとりで生きているわけではない。こうした行動が傍からはどう見られているのだろうか。やはり恩恵を受けていることには違いなく、なにかしらの恩返しは考えた方がいいのかもしれない。

 「PTは元々ヨーロッパの富裕層が試行錯誤で考え出した概念ですが、私は、1980年代以降、欧米で発行されている書物やレポートを読みながら研究を続けていました。そのPTの完成形が5つのフラッグ理論(Five Flags Theory)であったわけですが、欧米の文献を読んでいても、ただ政府から逃れろとか、目立たなくして当局から逃れようなどといった金の亡者のイメージしか沸いてこなかったのです。しかし、このようにして姑息に自分だけ要領よく世界を渡ったとしても世間一般からは全く評価されないのでは、とずっと思っていたのです。PTの発想自体は非常に面白いのですが、自分さえ良ければいい自己中心的スキームに過ぎないとも思ってしまったのです」

 そこで木村氏はPTを長年研究してきた中で、6つ目のフラッグを設定した。この6つ目こそが社会貢献をする国という位置づけになる。

■PTを止めるのも自由

 もちろん、6つ目のフラッグが日本でもまったく構わない。ただし、あなたがPTとして世界を飛び回った自身の経験から、より最適な場所が見つかるかもしれない。なにしろ自身のお金なのだから、焦らず納得いくまで考えて結論を出せばよいだろう。

 木村氏は「私は前述の通り、発展途上国の研究をしていたこともあり数多くの途上国を訪れ現場を見てきました。そこで感じたのが日本からの援助を切望する国が多いことでした。そこで、PTとしてただ自分中心の金の亡者になるのではなく、うまく節税したものを発展途上国に還元することもしなければならないと思ったのです。それで、私自身の独自の理論として5+1のフラッグ理論(Five plus One Flags Theory)としたわけです。無駄な天下り法人や道路や橋、ダム建設に使われるのならば、その分節税をして、発展途上国の食料や医療分野に寄付すればいいと思ったのです」と続けて説明した。

 PTをシリーズで展開してきたが、節税メリットなど良いこともあれば、一方で悪いこともある。また、法律面でも意外と窮屈な点もあるかもしれない。ただし、PTの良さは、どこかの国の居住者にならずに自由に世界を股にかける旅行者であり続けること。もちろん、一度やってみて自分に合わなければ、やめてまた日本に帰ればいい。それがPTなのだから。(終わり)

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