1位はハーバードMBAが率いる軍団。ヘッジファンドランキング100
2009年6月16日(火)19時20分配信 ゆかしメディア
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「2008年が最悪の年」。こう語ったのは、世界一の投資家ウォーレン・バフェット氏だった。投資のカリスマに、そう言わしめるほどの100年に1度の未曽有の経済危機は、金融界全体が飲みつくされてしまったことは間違いないようだ。
そうした1年を総括した、「2009Hedge Fund100」(アルファマガジン調べ)がこのほど発表になった。同ランキングは、世界で最も大きなヘッジファンドの上位100を集めたもので、2009年の1月時点での資産額でランク付けしている。
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ベスト20を見ても(表参照)半分の10社が資産を減らしているあたりは厳しさを象徴していると言え、135兆円あった資産は約100兆円まで落ち込んだ。またトップ10の総額は昨年末から12%のダウンとなっている。そんな下げ相場の中で、勝ち負けがハッキリした感はあるが、1位となったのは、ブリッジウォーター・アソシエイツだった。資産は3兆8600億円。
日本の投資家の間では知名度はそれほどではないものの、カルパースなど大物機関投資家からも資金を預かるなど評価が高い。このトップ集団とは、いったいどのようなものなのか。
■「静かな巨人」ブリッジウォーター・アソシエイツ
緑に囲まれた静かな丘陵地にあるコネチカット州ウエストポート。ここは名優ポール・ニューマンさんが豪邸を構えるなど、東海岸の成功者たちの大邸宅が数多く見受けられる。
この地に、世界のヘッジファンド業界から一目置かれるブリッジウォーター・アソシエイツの本拠地がある。NYのマンハッタンから車で1時間以内で、静かな高級住宅地が多いコネチカット州。ハートフォードという都市があるように、多くの保険会社の本社があり、保険の街としても有名である。
オフィスは木々、川など自然が豊かで、NYとは違う静かな環境だ。業界からは「静かな巨人」とも呼ばれているが、立地からもそれはうかがい知ることができる。それは、創設者レイモンド・ダリオ氏の考え方が反映されているようだ。
ダリオ氏はハーバードビジネススクールで経営学修士(MBA)を取得。1975年にNYマンハッタンのマンションの予備のベッドルームで、同社を立ち上げた。それが今では、世界最大のファンドに、そして自身も2008年のマネージャーランキングで780億円の報酬を受け取り5位に入っている。
米国最大の年金基金カルパースをはじめ、ハートフォード生命など、大口の機関投資家が多い。旗艦ファンドである「ピュアアルファ」を中心に運用。年金基金などは伝統的には、大きなリスクは取りたくないが、カルパースがブリッジウォーターのファンドに出資したことで、年金基金の考え方も変化したとも言われている。
この静かな巨人を理解する上では、創設者のダリオ氏のことをもう少し知る必要がありそうだ。
■トップを批判しないと減給される会社?
レイモンド・ダリオ氏は、アルファ戦略中心で、通貨と新興市場でショートをかけるなどして、7.22%運用資産を殖やしている。昨年末の投資家向けのレターには「2008年があまり良くなかった人にとって、最も重要な教訓の1つは、永続的、そして、普遍的な投資見解を持つことです。何で、1930年代で置きた状態が、また起きるのか? そこを理解してください」と、2009年の不安な見通しを語っていた。どちらかと言えば、奢ることなく慎重、謙虚という言葉が当てはまる。
元部下が過去にメディアの取材にこたえた内容では、同社のトップであるダリオ氏に対して、意見をぶつけることを要求されるのだという。もしそこで、何らかの意見を表現できなければ減給されてしまうという。真偽のほどはさだかではないが、これは、ダリオ氏がいつまでも謙虚で居続けるための方策なのかもしれない。
運用においては、やはり難しいのはメンタル。それを強く意識しているのか、ダリオ氏は1週間に5回、各20分ずつ必ず瞑想をするのだという。そして、オフィス周辺の豊かな自然の中で、魚釣りや狩りを楽しむ。アウトドアだけでなく、NYでオペラや、夫人とサルサを楽しむのだという。そしてジャズミュ−ジシャンを父に持つ家庭に生を受けただけに、血は争えないか、ジャズやソウル好きだという。
市場と向き合うための慎重さ、謙虚さ。これらを忘れないかぎり、ブリッジウォーター・アソシエイツはトップの地位を保っていくのかもしれない。
■ポールソン、ソロスら常連も資産増
ランキング上位を見渡せば、名だたるヘッジファンドはほぼ入っている。JPモルガン、ポールソン&カンパニー、マンインベストメント、ソロスファンドマネジメント、GSアセットマネジメントなど日本でもなじみの会社ばかりだ。日本の投資家からも知名度はずば抜けている3位ポールソン、8位ソロスはそれぞれ資産を増やしている。
ランキング中で最も大きく資産を増やしたのは、ブレヴァン・ハワード・アセット・マネジメントで、5440億円も増えたことになる。創業者のアラン・ハワード氏は「危険だから」という理由で趣味のスキーをやめたり、ベンツの運転も安全のため運転手に任せているという。そうした性格は、まさに乱世向けか? 現金の保有比率を高めたことが功を奏したようだ。旗艦ファンドのブレヴァン・ハワード・マスターファンドの昨年1年のリターンは20.4%だった。
欧州勢でブレヴァンハワードとともに上位のマンは、最近注目を集めているCTAと呼ばれるコモディティー戦略が好調で、3500億円増やした。2008年は株式市場が低迷しただけに相関関係がなく、結果として好パフォーマンスとなった。
ヘッジファンドが誕生してから、やはりこの世界でも淘汰の歴史は繰り返されてきた。ここでは世界の上位100社のうち、都合、上位20社だけ取り上げたが、優劣に関係なく、そのどれもがサバイバルを生き抜いた優秀なファンドであることは疑う余地がない。
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