銀座有名歯科医院の2代目が今思うこと(1)
2009年9月3日(木)18時0分配信 ゆかしメディア
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街を歩くと、目にとまるのはコンビニエンスストア。よくもここまで増えたものだと思うが、実は、よく目を凝らせば、それ以上に歯科医院の方が多く目に付く。
それもそのはずで、昨年の全国の歯科医院数は約6万8000件。都道府県別では東京都内が最も多く約1万1000件となっている(厚生労働省発表)。それに対して、全国のコンビニ店舗の増加は続いているが、コンビニチェーン12社が加盟する日本フランチャイズチェーン協会によると約4万2000件。どちらの数が多いかは比べるまでもない。
さらに最近は、「歯科医院が1日1件倒産」などというセンセーショナルな報道も目立つようになった。診療報酬も、保険の点数で決まっているために、なかなか差のつけようも難しく経営努力も実りにくい。加えて人口の減少も考えられるため「歯科医院は自分の代で終わり」と決心する歯科医も出ているようだ。
当然ながら、割を食うのは現在の歯科医の卵たち。いずれ2代目、3代目たちは、将来、自分たちが第一線に出る時が来る。では、今、何を思い、考えているのだろうか?
東京・銀座にある山田歯科の長男・山田剛士さん(24)は歯学部に通い、現在は国家試験を控える身だ。いわゆる2代目にあたるが、将来に対する漠然とした不安を抱きながら歯科医を目指している。ジュニア世代の胸のうちを聞いた。
■ミス・ユニバース日本と12年間同級生
オフィスが建ち並ぶビルの一角にある山田歯科。口臭の原因とも言われるドライマウスの話題でもよくマスコミに登場する、知る人ぞ知る医院だ。しかし、銀座とて例外ではなく、歯科医院はここだけではない。中には同じビルに複数の歯科医院が入っているところもあったりして、競争の厳しさをうかがわせる。
それでも、2代目とは、ある意味で歯科医になることを宿命付けられた存在でもある。
「中学生くらいから将来は漠然と歯科医になるものだと思っていました。家と医院がつながっていて、父が昼食を摂るために家に戻ってきていました。そういうのが日常としてありましたから。今まで、親からは特に歯科医になるように勧められたこともありませんね」
山田歯科は以前、東京・自由が丘に自宅兼医院を構えていた。そして、山田さんは祖父にも勧められて小、中、高校と成城学園へ。エスカレーター式の名門校に入り、ここまで見てくると他人も羨むような環境にいた、と言ってもいいだろう。また、先にバハマで行われたミス・ユニバース日本代表となった宮坂絵美里さんとは同級生だった。しかも同じバスケットボール部。当時を「小、中、高校といっしょでした。それほど仲が良かったわけではありませんが目立っていましたね」と語った。
双方とも、今は別の道を歩み、山田さんは某大学の歯学部に在学中だ。そして現在が最終学年にあたる6年生で国家試験を控えている。歯科医になるための第一段階を、大学入試だとすれば、次は第二段階に差し掛かるところにいる。
その第二段階で、最近、大きな変化が起きているのだ。
■3000万円の投資
実は歯科医師の国家試験の合格率が下がってきていることを、皆さんはご存知だったろうか。全体で見ると、2009年度は67.5%(新卒:76.1%、既卒:46.1%)。2008年度の68.9%、2007年度の74.2%と比べて年々低下傾向にある。
「やはり歯科医がだいぶ増えたので(厚生労働省が試験を)難しくしているというのはあるかもしれません」と山田さんは言う。
ちなみに医師国家試験の2009年度の合格率は91.0%だった。増やさなければならないためできるだけ通したい医師、これ以上増やせないために門戸を狭める歯科医。こうした図式が出来上がっているのかもしれない。
歯科医師の国家試験を、さらに大学別で細かく見てみると、世間一般にはあまり知られていないこともわかってくる。例えば、合格率が最も高いのは大阪大学大学院歯学研究科 90.4%(大学では岡山大学歯学部の89.3%)。90%以上は唯一ここだけだった。しかし、その一方で最も低い松本歯科大学は32.5%だった。
6年間の私立大学の学費の相場は3000万円前後となっており、高い投資金額を考えれば、大学選びを間違えると、下手をすれば歯科医になれないという人も出てしまう。
しかも受験者数は増加。2004年度の受験者数が2960人なのに対して、2009年度は3531人と2割以上も増えた。そうすれば、難しくして合格率を下げるしか方法はないのだろうか。
山田さんに限らず、2代目たちは厳しい環境の真っ只中にいる。(つづく)
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