中国の外貨準備比率変更、思惑先行でも影響力
2009年10月26日(月)13時24分配信 ロイター
10月26日、株式市場は為替の動向に左右される展開が続く。写真は安徽省合肥の銀行。2008年12月撮影(2009年 ロイター) [ 拡大 ]
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[東京 26日 ロイター] 26日の金融市場ではドル高/円安の進行を受けて株高地合い。株式市場は為替の動向に左右される展開が続いており、この日は輸出関連に買いが入った。
ただ、中国の外貨準備をめぐる発言でドルが売られる場面もあり、株式の上値を抑えている。一方、円債市場は国債増発や米国の出口戦略をめぐる議論に神経質になっており、買いの手が引きがちだ。
<円安で短期勝負>
株式市場では日経平均が続伸。前週末の米国株は大幅に下落したが、為替が1ドル92円台の円安に進んだことでハイテク、自動車などの輸出株に買いが先行した。 「決算発表の本格化を控えて国内勢が様子見のなか、海外勢のバスケット買いが入っている。銀行株などを含めて買い戻しが中心のようだ。11月に入るとファイナンスリスクが高まるため、今週中に短期勝負とみている投資家も多いようだ」(コスモ証券エクイティ部次長の中島肇氏)との声が出ている。
インベストラスト代表の福永博之氏は「1ドル90円超の円安により日銀短観の企業想定為替レート(94円)に近づいたという心理が働き、日経平均のプラス転換を演出したようだ。決算前で積極的に買う理由はないが、円安をみて売り控えている。ただ、国内企業決算については、業績予想の上方修正でも減収増益が目立つのが気がかり。下期に対する不安につながるという懸念もある」という。
4―6月期決算では企業のコスト削減が利益を押し上げたが、今回の7―9月期決算では業績回復の持続性が焦点になる。そのためには利益だけでなく売上の増加が不可欠とみられている。26日には最初の試金石となる信越化学工業<4063.T>と日本電産<6594.OS>の決算発表が予定されている。「ハイテク製品の需要回復が確認されれば、業績回復への期待感が高まる可能性もある」(大手証券情報担当者)との声が出ている。
<ドル/円1カ月ぶり高値、外準比率変更には神経質>
外為市場ではドル/円が上昇。きょう早朝の取引で一時91.23円をつけて、9月21日以来1カ月ぶり高値を更新した。前週末海外の取引では、テクニカル的に上抜けたユーロ/円などのクロス円に海外ファンドの買い仕掛けが活発化。円が広範に下落した。日本政府が為替介入に否定的との見方から進んだ10月初旬にかけての円高の「反動が進んでいる」(外銀)。円が下落する過程では、日本の財政悪化問題などが「口実的に取り上げられている」(別の外銀)という。
ただ、その後、中国の金融時報が外貨準備について「ドルは引き続き中国外貨準備の主要通貨だが、ユーロや円の比率が上昇へ」との論説を掲載したことが市場に伝わると、ユーロ/ドル買い、ドル/円売りにつながった。記事の執筆者はロイターの問い合わせに対して、記事の内容は純粋に個人的な見解、としている。
ユーロ/ドルは1.5064ドルまで上昇、14カ月ぶり高値を更新。ドル/円も91.57円までドル売り/円買いが進んだ。「きょうはドルの買い戻しが先行するとみていたが、この報道が水をかけた。輸出企業の売りも加わってドル/円も押し戻されており、91円半ばを割り込めばストップロスもありそうだ」(ソシエテジェネラル銀行外国為替本部長、斎藤裕司氏)との声が上がった。
<国債増発議論>
円債市場は下落。国債増発懸念が意識され、買い持ちポジションを解消する売りが強まった。特に、前週末の国債市場特別参加者会合で個人向け国債などの発行下ブレ分の振り替え先として議論に上った中長期債に売りが膨らんだ。このほか、米連邦準備理事会(FRB)が出口政策に向けて地ならしを始めた、との思惑が全般的に売り材料となっている。
国内要因では、増発懸念だけではなく、民主党政権下の財政規律に対する不安感も指摘されている。トヨタアセットマネジメントのシニアファンドマネージャー、深代潤氏は「この政権のスタンスでやっていくと、来年度、さらに再来年度はどこまで財政が拡大してしまうのか、という底の見えない不安感がある。政権全体のデザインがいまひとつ見えてこないなかで、財政拡大だけが想像され、従来の財政規律の枠をどこまで維持していくのか、中長期的なテーマとして市場はかなり神経質になっている」と話す。
金融政策の面からも円債市場には売り圧力がかかりやすくなっている。利用頻度が激減しているCP、社債買い入れオペだけでなく、企業金融支援の主軸とも言える企業金融支援特別オペの打ち切りが視野に入ってきた。オペ打ち切りとなれば「日銀の強気なスタンスを確認することにもなるので、時間軸の長さに安心しきっていた市場を売り方向に動かす可能性はある」(外資系証券)という。
(ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者:編集 山川 薫)