日経1万円割れも悲観論台頭せず、新興国の出口戦略の影響注視
2009年10月29日(木)15時28分配信 ロイター
10月29日、日経平均株価は寄り付き直後に10月9日以来約3週間ぶりに1万円の大台を下回ったが、投資家の間では先行きについて過度の悲観論は広がっていないようだ。写真は昨年10月、都内の株価ボード前で(2009年 ロイター/Kim Kyung-Hoon) [ 拡大 ]
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[東京 29日 ロイター] 日経平均株価は寄り付き直後に10月9日以来約3週間ぶりに1万円の大台を下回ったが、投資家の間では先行きについて過度の悲観論は広がっていないようだ。
国内企業の好決算や底堅い生産が相場を下支えしており、下値めどは9500円との見方が多い。ただ、新興国が出口戦略を模索し始めており、その影響は注視したいという。
米株式市場の大幅反落を受け、東京市場も寄り付き直後に日経平均が1万円を割り込んだ。指数への寄与度が高いアドバンテスト<6857.T>が09年9月中間期連結決算で当期赤字が拡大したことも1つの要因とみられている。邦銀系の株式トレーダーによると、ヘッジファンドが売りを出しているが、海外短期筋の買いが見られるという。一方、国内では、政府系金融機関が引き続き数億円規模の売りを出しているが、機関投資家による買いもあり、9800円―9900円付近でもみあいが続いた。
また、大手証券の株式トレーダーは米系投信が電機の一部を売る一方で、ヘッジファンドがトヨタ自動車<7203.T>やみずほフィナンシャルグループ<8411.T>を買い戻す動きを指摘する。邦銀系のトレーダーは、きょうの1万円割れについてリアルマネーによる買いも観測されるが、やや大きな下げとなったことから「月末の利食いにすぎないのではないか」との見方を示している。
日興コーディアル証券シニアストラテジストの河田剛氏は「国内企業の決算への反応は鈍いものの、決して悪い内容ではないので売られる理由はない。ホンダ<7267.T>のようにドル/円の想定レートを85円に切り下げても利益が出るところが他にも出てくれば、株安に歯止めがかかる」とみており、クリスマス商戦まで日経平均は9500―1万0500円と予想する。
経済産業省がけさ発表した9月鉱工業生産指数速報(2005年=100、季節調整済み)は前月比1.4%上昇の85.1となり、7カ月連続の上昇となった。経済産業省は生産の基調判断について「持ち直しの動きで推移している」と据え置いた。邦銀系の株式トレーダーはこうした指標で「先行きはポジティブ」として、買い姿勢を緩めていない。
一方、新興国などの出口戦略による影響が今後の焦点になりそうだ。インド準備銀行(中央銀行)は27日の金融政策会合で、政策金利は据え置いたものの、金融危機で導入された一部の流動性支援措置の終了開始を明らかにした。中銀は「景気回復過程が阻害されず、インフレ期待が引き続き抑制されるように、調整して出口を順序付けることは適切だろうと判断した。出口過程は一部の流動性支援特別措置の終了で開始することが可能だ」との認識を示した。
また、ノルウェー中銀は28日、政策金利を予想通り25ベーシスポイント(bp)引き上げ1.50%とした。景気後退が世界的に深刻化した前年以降、欧州で初の引き締めとなる。今後は、ブラジルや韓国、メキシコなどでも相次いで利上げが実施される見通しだ。「景気の良くないところが出口戦略に乗り出したら大変だが、新興国などの引き締めによって、どこまで先進国の株価が下がるのか注視したい」と邦銀系のトレーダーは指摘する。
(ロイター日本語ニュース 吉池 威)