武田は通期営業益見通しを据え置き、円高の影響を経費削減でカバー
2009年10月30日(金)18時9分配信 ロイター
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[東京 30日 ロイター] 武田薬品工業<4502.T>は30日、2010年3月期の連結営業利益予想を前年比28.9%増の3950億円で据え置いた。国内での医薬品販売が計画比下振れたことや為替円高による売り上げ減の影響を、経費削減でカバーする。
営業利益予想はトムソン・ロイター・エスティメーツによる主要アナリスト15人の予測平均値4040億円を2.2%下回っている。
連結売上高は1兆5000億円から1兆4800億円(同3.8%減)へと下方修正した。国内での販売が計画比下振れているほか、米国で発売を開始した逆流性食道炎治療剤「カピデックス」や痛風・高尿酸血しょう治療剤「ユーロリック」の市場での浸透がやや遅れたことなどが、従来予想比下振れた要因。また、4―9月期だけで、為替円高によるマイナス影響が516億円発生したことは、減収の大きな要因になっている。
売上高予想は下方修正したものの、販売管理費の削減などでカバーし、営業利益予想は据え置いた。4―9月期では、営業利益が従来計画の2000億円を大きく上回る2425億円となったが、一部の研究開発費が下期にずれ込んだことなどが要因だったため、通期での上振れ要因とはなっていない。年間の研究開発費は3100億円で変更していない。
長谷川閑史社長は会見で「来年、複数の新製品が出せる見込みが高くなっている。反転攻勢に出ることができると思っている」と述べた。
2009年4―9月の連結営業利益は前年同期比185.2%増の2425億円となった。前期は、ミレニアム・ファーマシューティカルズ社の買収とTAPファーマシューティカル・プロダクツ社の完全子会社化を実施。これにより、一括計上が必要な仕掛かり中の研究開発費(インプロセスR&D)1687億円などを計上したことから大幅増益となっていた。こうした特殊要因を除くと実質的には2.5%の減益だ。通期予想に対する進ちょく率は61.3%。前年同期の通期実績に対する割合は27.7%だった。
<一時的な収益下振れでも、現状の配当水準は維持>
武田は、糖尿病治療薬「アクトス」の米国での特許が2011年に切れるなど、主力薬の相次ぐ特許切れが間近に迫っている。長谷川社長は「主力製品が特許切れを迎える中で、それに対する答えがまだ明確に出し切れていないジレンマに対し、これを奇貨にして、事業体質の強化、効率性の追求、ビジネスデベロップメント活動を加速することで、なんとしても乗り越え、具体的な形で早期に示したい」と述べた。
M&A(合併・買収)については「コストシナジーを主目的とした買収はしない」と従来の考えを繰り返した上で、「パイプラインや地域的なシナジー、経営のスタイルの近似性に重きを置いて、良いターゲットがあれば、従来以上に積極的に検討し、前へ進めたいという気持ちは全く変わっていない」と前向きな姿勢を示した。
また、市場では、特許切れなどで一時的に収益が落ち込んだ際、減配に動くのではないかとの懸念が出ていたが、「上げる余地があるかどうかはその時の状況だが、よほどのことがない限りは今の配当金額は維持したい」と述べた。2010年3月期は、前期同様に年間180円の配当を計画している。
(ロイターニュース 清水 律子記者)