米出口論の思惑後退、株式の調整色は拭えず
2009年11月4日(水)13時19分配信 ロイター
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[東京 4日 ロイター] 米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を直前に4日の金融市場は様子見ムードが広がっている。超低金利政策の解除時期について表現が修正されるとの思惑は急速に冷めてきているものの、実際に発表されるまでは警戒感は消えず、ファンド勢の動きは鈍い。
金などの商品市況は出直っているものの、株式は調整色が強まっているだけに先回りした買いは入りにくくなっている。
<見極めムード支配>
株式市場では日経平均が2日終値近辺の狭いレンジでもみあい。休日明けで手掛かり材料が乏しく、短期筋の先物売買なども鈍っている。「海外勢がやや売り越しとなる中で、金市況関連や個別の好業績銘柄などが買われて指数を支えている。オーストラリア準備銀行(RBA、豪中銀)が2度目の利上げを実施したことで、米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)の金融政策を見極めたいとのムードが広がり、全般には様子見姿勢が目立つ」(コスモ証券エクイティ部次長の中島肇氏)という。
FOMC声明は、4日午後(日本時間5日未明)に発表される。フェデラルファンド(FF)金利誘導目標水準はゼロ─0.25%に据え置かれる見通しだが、緩和的な金融政策の出口について何らかの言及があるのかが注目されている。5日には、ECB理事会も控えている。インベストラスト代表の福永博之氏は「センチメント後退の印象が強い。豪州の2度目の利上げで、世界の株式市場に警戒感が強まっているのではないか。年末に向けて国内金融機関の増資懸念や、企業の倒産懸念が高まる可能性があり予断を許さないとみている。
金融政策に関しては、ITCインベストメント・パートナーズ、シニアポートフォリオマネージャーの山田拓也氏は「FOMC声明では出口を示唆するような言葉はないだろう。2度目の利上げを実施したオーストラリアなど資源国と先進国の経済状況はかなり異なり、出口はしばらく先だ」とみている。
<季節要因>
外為市場では、ドルが90円前半、ユーロは1.47ドル前半でともに方向感を欠く動き。FOMC声明を控え、短期筋がポジションを傾けにくい状態。
商品市場では金現物が最高値を更新し、原油先物も続伸するなど、ドル・キャリーを想起させる商品高が続いているものの、このところ活発に動いていたファンド勢には、目立った動意が見られないという。
市場では「ドルキャリーが依然続いているとの印象が強く、中長期的にドル安の流れは変わっていない」(外為アナリスト)との見方が大勢を占める一方で、年末を見据えた利食いが出やすい時期でもあり、短期的には方向感が出にくいとの指摘もある。 「ファンド勢は年末を控えた45日ルール(顧客が決算日の45日前までに解約申請する)もあり、短期の利食いに傾きやすく、(この時期は)トレンドが出づらい」(東京都民銀行・シニア為替アドバイザー角田秀三氏)という。
FOMC声明は為替市場でも注目材料で、景気回復を反映して微調整され、非伝統的金
融緩和からの出口の時期を何らかの形で表現するか否かに関心が集中している。
米アナリストらによると、米経済は過去70年で最悪となったリセッションから回復しつつあるものの、住宅・銀行分野の状況はまだぜい弱で、失業率も高水準であることから、FRBが超金融緩和策から脱却することには高いリスクが伴う。
<円債、海外勢売り/国内買いスタンス>
円債市場も小動き。前日の米債市場が下落した流れを受けて、国債先物を中心に売りが先行したが、あすの10年債の入札を控え、売り一巡後はもみあい。
円債市場では引き続き、財政拡大による需給悪化への警戒感と、景気の低迷、デフレ懸念を背景とした日銀の超低金利政策維持の見通しがテーマとして存在し、方向感が出づらくなっている。
財政赤字は海外投資家の円債離れにつながっており、海外勢はここ数週間、国債先物を中心にショート・ポジションを維持しているとみられている。一方で、海外勢の売りが一巡しつつあるタイミングで、余剰資金を抱えている国内投資家が「景気の弱さを見れば、株などのリスク資産には手を出せない」(国内証券)として、円債買いを進めるという流れが続いている。カリヨン証券のチーフエコノミスト、加藤進氏は「今後の増発を視野に入れた相場の落ち着きどころが、現在の10年1.4%前後なのではないか」とみている。
あすの10年債入札についても、大きな不安の声は聞かれない。今年度2次補正予算での増発分が今月にも始まる可能性があるが、市場の動揺も収まっている。積極的に残高を積んでいくという勢いはないにせよ、業者もある程度の在庫の確保には動くのではないかとみられている。
(ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者:編集 山川 薫)