今週末のG20、世界経済のリバランスで数値目標に踏み込まない公算
2009年11月4日(水)14時21分配信 ロイター
11月3日、今週末のG20、世界経済のリバランスで数値目標に踏み込まない公算。写真は7月、ニューヨークで(2009年 ロイター/Lucas Jackson) [ 拡大 ]
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[パリ 3日 ロイター] 6─7日に英セントアンドリュースで開く20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、9月の金融サミットで合意した世界経済のリバランスに取り組むことになるが、中国の為替などをめぐり意見の隔たりが大きく、数値目標には踏み込まない公算。
その代わり、各国の政策を国際的に相互監視するとした(金融サミットの)コミットメントについて、肉付けを目指す。
トロント大学でG20を研究するジョン・カートン教授は「セントアンドリュースでは、各国はフレームワークについて詳細に説明したり、方針やプロセスの確認することができる。また中国が向かう方向やそのスピードについて、検討する可能性もあるだろう」との見方を示した。
金融サミットでは、各国の経済政策とそれが世界に及ぼす影響に関する「相互評価プロセス」を11月までに開始することで合意している。
世界経済のリバランスを実現するには、中国や日本、ドイツなどの輸出大国は、内需の拡大や、外国の需要への依存低減が必要。一方で、米国など巨額の貿易赤字を抱える国は、貯蓄率を上昇させる必要がある。
<為替>
人民元問題をめぐってはG20の協議は行き詰っており、金融サミットでもこの問題を事実上回避。今回のG20も、例外ではないだろう。
中国は2005年以降数年間は、人民元の段階的上昇を容認したが、08年半ばからは対ドル相場をほぼ横ばいで維持している。
中国商務省対外貿易局の副局長は先週、輸出が大幅に回復するまでは、中国は人民元の大きな調整は容認しない、との見方を示している。
一方、欧州や日本は、自国通貨の上昇により寛大なもようだ。フランス銀行(中央銀行)のノワイエ総裁は今週、ユーロは「長期的な平均水準を若干上回っているにすぎない」と表明、ユーロの上昇が加速しない限りは、ユーロ圏はその痛みに対応できるとの見解を示した。
しかし日本などの諸国は、通貨上昇を促しているとみられることは望望まない。藤井裕久財務相の代理としてG20に出席する予定の野田佳彦副大臣は先週、ロイターのインタビューで、通貨安競争は避けるべきと述べたが、日本は円高を容認しているわけではない、とも強調した。
つまり今回のG20では、通貨については一般的な議論にとどまる可能性が高い。カナダのフレアティ財務相は2日、ドル安やアジア通貨の柔軟性の低さについて協議するのは、G20の慣例だと述べた。一方、複数のG20関係者は、為替は大きな議題にはならない、と述べている。
<数値目標は盛り込まれない見通し>
為替などの重要問題で合意できない限り、G20は、世界経済のリバランスに向けた数値目標にコミットすることは困難、と感じるだろう。
G20議長国の英国は、各国の政策オプションを議論するスタート地点として、世界経済成長の中期目標を使うことに、前向きな姿勢を示しているが、具体的な数値で合意するには数カ月、数年かかりかねない。
G20関係者は「共通の政策目標を持つ必要性について再確認するだろうが、数値目標は盛り込まれないだろう」と指摘する。「各国は、中期(5年)の政策目標を設定する必要がある。成長率や国際収支、財政赤字、雇用などの数字を使うことが可能だが、何を共通のフォーマットとするのかについては、まだコンセンサスはできていない」と述べた。
結局のところ、今回のG20では、国際通貨基金(IMF)の役割に関する協議に、多くの時間を割くことになりそうだ。世界経済を監督するIMFの技術的な能力や、IMFがどの程度、加盟国に影響されずに独立して判断ができるのかなどについて話し合われるとみられている。
しかしG20内には、IMFをめぐっても立場に隔たりがある。IMFの財源拡大問題や、議決権の再配分問題などでは、依然として対立がみられ、これらの問題の解消には、多くの歳月がかかる可能性がある。