あの人は今こうしている 舌足らずの甘えたようなしゃべりかたが懐かしい
2009年10月30日(金)10時0分配信 日刊ゲンダイ
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舌足らずで甘えたようなしゃべくりキャラが懐かしい一谷伸江さん。テレビの深夜番組の代名詞だった日本テレビ「11PM」のアシスタントを長く務め、また、バラエティー番組「独占!女の60分」(NET=現テレビ朝日)では突撃リポーターで活躍した。その後もドラマやアニメなど幅広く活動していたが、最近は姿を見ない。今どうしているのか。
●「朝丘雪路さんに背中を押されたのがきっかけ」
「けいこが終わった後の一杯って、ホント、おいしいのよねえ。疲れなんかいっぺんに吹き飛んじゃう。で、きょうは何でしたっけ? 『あの人は今』? あら、やだ。だったら、お断りしたのに、ハハハ」
新宿駅に近いホテルのラウンジで会った一谷さん、こういってビールをグイッと飲み干した。
「俳優の石山雄大さんをご存じ? 『はぐれ刑事純情派』なんかに出てた人よ。その雄大さんが俳優養成の『オールアクトカンパニー』っていうのを主宰してて、今、そこの若い俳優さんとけいこをしてるの。『凛として……、〜天国は遠くの町〜』という大阪を舞台にしたお芝居で、ワタシは銭湯のおばあちゃん役。28日から11月1日まで新宿のSPACE107でやるから、ぜひ見に来てちょうだい」
しかし、一谷さんと舞台、芝居というのがもうひとつ、ピンとこない。
「そうかもね。ずっとテレビばっかりだったから。でも、こう見えてもお芝居のキャリアは長いのよ。もう20年近くになるかしら。仲良しの朝丘雪路さんに、舞台女優に年齢はないのよ、って背中を押されたのがきっかけ。初舞台は津川(雅彦)さん演出の『人間万事塞翁が丙午』ってお芝居だった。今年も11月分を入れると7本になるわ」
さて、一谷さんは65年から25年続いた日テレの名物番組「11PM」でタレントデビュー。14年間にわたってアシスタントを務め、その後は「独占!女の60分」でリポーターとして活躍、明るいキャラで人気だった。
「『11PM』では小島正雄さん、三木鮎郎さん、大橋巨泉さんと3人の司会者のアシスタントをしたわ。一番長かったのは巨泉さん。若いワタシを叱ったり、褒めてくれたり、親身になっていろんなことを教えてくれた。いうなれば、ワタシのお師匠さんね。『独占!女の60分』は水の江滝子、宮城千賀子、丹下キヨ子と芸能界の大御所が司会だったでしょ。大先輩たちから盗めるものはみんな盗んじゃえって、そんな気持ちで出てた」
バツイチ後、34歳のときにイベントプロデューサーと再婚するも、89年、がんでダンナを亡くす。現在、娘夫婦と3人暮らしだ。
「2回目の結婚生活は9年だった。待望の子供も生まれ、幸せいっぱいのときに亡くなっちゃったんだもの、そりゃあショックだったわ。だけどお芝居に誘ってくれた雪路さんはじめ、多くの方から励まされてね。それで立ち直ることができたのよ。お婿さんはとっても優しいし、家庭的に今はいうことなしね」
11月30日から12月1日まで北千住のシアター1010公演「丹波山物語」に出演する。
(日刊ゲンダイ2009年10月27日掲載)