昔の絵の具はどうやってできていた?
2009年9月8日(火)11時0分配信 R25
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では、絵の具の色のもとになる顔料には、もともとどのようなものが材料として使われていたんでしょうか。
「昔は自然のもの、土や鉱石が主に使われていました。たとえば土は茶色系統の色に使われ、焼いたりすることで色みを変え、同じ茶色でもいくつかの階調の絵の具を作っていました。鮮やかな色の鉱石は、細かく砕くことで顔料にしていました」
なるほど。これら天然の原料は、今は使われていないんでしょうか。
「今は化学的に合成された顔料が多く使われています。たとえば顔料に使われる土の主成分である酸化鉄を化学的に合成することで、土で作っていた色と同じような色を作っています。土だと不純物があるため、色にばらつきが出てしまうんです。他の色も同じで、日本画で用いられているカキの殻を砕いた胡粉による白色のように、今でも自然のものが使われているものはありますが、材料の価格や量の問題もあり、主流は化学的に合成された顔料になっています」
へえ。いろんな色が化学的に作り出されてるんですね。ところで、化学的に合成する技術がなかった昔は作れなかった色などもあったのでしょうか。
「青は貴重な色でした。ウルトラマリンという色に使われていたラピスラズリという鉱石は、装飾品、宝石でもあったほど貴重なものだったんです。日本画では、群青(ぐんじょう)と呼ばれている色です。今もウルトラマリンはありますが、それは合成してラピスラズリに似た成分を作ったもので、成分的には同じでも色は多少違うと思います」
また、顔料が大きく変わったのが産業革命のころだそう。
「産業革命のころに、コバルトや水銀など重金属の化合物を使った無機顔料の絵の具が増えました。しかし、毒性があるため、今ではそれに代わって石油から作っている有機顔料が多くなっています。有機顔料はこれまでの顔料より鮮やかなのが特徴です」
様々な工夫もあって、顔料は天然のものから化学合成のもの、さらに、化学合成でも安全なものに変わってきたんですね。また、絵の具の大敵は光だそうで、耐光性があるかどうかが問題になってくるそうです。
「ドラクロワという19世紀フランスの有名な画家は、その時代に流行ったビチウムという茶褐色系の色を多く用いていました。当時の石油化学の最先端で作られたコールタールを精製したのがビチウムで、当時の最先端の色としてもてはやされていたんです。しかし、耐光性がありませんでした。そのため、年月を経ると溶けてしまうなどして、絵画のビチウムを使った部分が崩れてしまったんです」
もちろん、今では紫外線を当てるなどして、しっかりと耐光性のチェックが行われているそうです。時代とともに移り変わってきた絵の具の顔料。これからも進化が続きそうですね。
(R25編集部)
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