外は硬く!中は柔らかく!
2009年11月6日(金)11時0分配信 R25
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ただ、オトコにとっては、人に見られる「アクセサリー」としての側面もある腕時計。傷への対策は、文字盤の視認性といった実用面だけでなく、見た目そのものの美しさにもかかわる問題。風防ガラスだけでなく、ケースや裏蓋についても、堅牢性が重要になってくるのでは?
今回お話を聞いた、シチズン時計・表面技術開発課の佐藤さんは、部署名の通り、腕時計の表面加工に特化したセクションの人。こんな部署があるってことは、やっぱり腕時計の外装は大切なポイントなんでしょうか?
「腕時計の歴史は素材の進化の歴史でもあり、外装素材はどんどん進化しています。昔は真鍮(しんちゅう)、黄銅を使っていましたが、これらの素材は耐食性に乏しく、厚いメッキをしないとすぐ錆びてしまう。そこで、次にステンレスが使われるようになりました。こちらは光沢も美しく、現在でもスタンダードな素材です」
台所のシンクなんかに使われる、あのステンレス?
「シンクのステンレスよりも耐食性の高いものを使います。ステンレスは錆びないと思われがちですが、実は錆びるんですよ。製品にするには、このステンレス素材の表面に、さらに膜を作る硬化処理が行われます。真空の釜を熱して、中で気化した窒素や酸素の原子を、ステンレスやチタンなど素材となる金属の表面に付着させ、硬い膜を作るんです。シチズンでは、“デュラテクト”という総称で呼ばれていますが、それぞれ使用する素材に合わせた硬化処理を施すことで、傷を付きにくくしているんです」
素材選びはもちろん、その素材をよりよく使う技術の開発も重要なポイントなんですね。
「他にも、シチズンでは世界初のチタンを使った腕時計を1970年に開発しています。錆びにくいうえ、ステンレスに比べて強度が高く、重さも5分の3程度というのが利点です。それに“生体適合性”といって人体に与える影響がほとんどない、というのも大きなポイントなんですよ」
なるほど、ケースや裏蓋は直接肌に当たる部分。扱いやすさだけではなく、人体への安全性もしっかり考えられているんだ!
「ただ、チタンそのものは決して硬い物質ではないので、そのままでは傷がついてしまいます。なので、現在ではこちらも“デュラテクト”といわれる硬化処理を施しています」
硬くてタフで、人体にも比較的やさしい腕時計なんですね! これならどんな強い衝撃にも耐えてくれそう!
「いや、これも風防ガラスのサファイア同様、あくまでも引っかき傷やすり傷対策なので、衝撃に対する耐性ではありません。単に硬いだけだと、内部のデリケートな装置が壊れてしまいますから。強い衝撃から守るためには、設計上、別の工夫が必要です。ちなみに落下衝撃に強い腕時計としては、シチズンでは1956年に『パラショック』という腕時計を発売しました。当時はPRを兼ね、ヘリコプターで100mの高さから落としてみるという実験も行っています。落とした10個すべてが故障なく、100%の成功率だったそうです。大阪のデパート前で実験したのですが、大変な反響で、一時は交通遮断までしたそうですよ」
普段はデザインや機能にばかり注目しがちな腕時計ですが、次の一本を選ぶときは、こんな素材に注目してみるのも、大切かもしれません!
(R25編集部)
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※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびR25.jpから一部抜粋したものです
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