【独占インタビュー】日本で“韓国”を伝える芳賀恵さん「ブームを越えた本場の韓国を知ってほしい」
2009年8月27日(木)9時52分配信 WoW!Korea
FMラジオ出演時の芳賀恵さん [ 拡大 ]
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2003年、突如ヨン様をはじめとする“韓流ブーム”がアジアへ舞い降りた。「近くて遠い国」と言われてきた韓国が、エンターテインメントを通して身近に感じるようになった瞬間でもあった。現在では、そのブームも定着。食文化やビジネスなども注目されるようになり、海外旅行地としても人気が高い。今回のインタビューでは、そんなブーム以前から韓国に注目し、現在まで“本場の韓国”を伝えている1人の日本人女性を紹介する。芳賀恵(はが・めぐみ)さんは、90年代前半、当時はマイナーだった韓国映画に魅了され2002年にソウルへ留学。その後、現地での職務経験を経て2007年に帰国した。現在は、韓国映画ライター、通訳・翻訳家、ラジオDJとして北海道を拠点に活躍を続けている。
−韓国に留学した理由
1990年代前半、たまたま見た韓国映画『風の丘を越えて〜西便制』に感銘を受けました。それをきっかけに当時はまだまだマイナーだった韓国映画を見始めましたが、そうするうちに、学生時代に選択科目で学んだ韓国語を、もう1度きちんと勉強しようと思うようになりました。そして2002年に、勤務していた放送局を退社し留学することを決意しました。引き続きソウルで日系企業向けのビジネスニュース配信の仕事に就き、2007年に帰国しました。
−韓国映画の魅力
大雑把な比較ですが、日韓の映画を比べると、日本映画は人間の心のひだを繊細にていねいに描く作品が多く、韓国映画はそれよりも起伏の激しい感情を描き、舞台のスケールも大きいように思います。“泣ける映画”とひとくちに言っても、日本映画がじんわりと心にしみるものだとすれば、韓国映画は涙がしぼり出されるようなものが多いですね。心臓をわしづかみにして感情をゆさぶるような演出・展開が韓国映画の魅力だと思います。
ただ、海外の観客を意識し韓流スターを起用して制作した作品は、消化不良なものが少なくないようです。実際に本国ではあまりヒットしていません。むしろ、新人監督が手がけた低予算映画が意外にも出来がよく、高い評価を受けたりしています。今年日本でも公開された『チェイサー』はその好例でした。
−最近オススメの韓国映画
ここ数年不況と言われる韓国映画界ですが、この夏に公開された映画だけを見ても、底力を感じる作品がいくつかありました。大津波と人間愛を描くヒューマンドラマ『海雲台』、重量挙げの女子チームと熱血コーチの感動的な交流を描く『キングコングを持ち上げる』、スキージャンプ五輪チームの物語『国家代表』。どれも笑えて泣ける秀作で、実力派俳優たちの演技の競演も見ものです。日本でも、ぜひ公開されてほしい作品ですね。
−通訳を務められた映画祭のエピソード
<ゆうばり国際ファンタスティック映画祭>は1990年のスタート当時から、韓国の映画人と深い結びつきを持っていました。夕張の後に始まった<富川ファンタスティック映画祭>とは姉妹映画祭の間柄です。ところが、<ゆうばり映画祭>を運営していた夕張市が財政破たんし、2007年の映画祭は中断に追い込まれます。再開は不可能と思われましたが、翌年、市民や熱烈なファンの力で奇跡の復活を果たしました。このいきさつは『復活!ゆうばり映画祭』(北海道新聞社刊)という本にまとめられています。
この復活映画祭のオープニングを飾ったのは、日韓映画界の結びつきを象徴する作品でした。『猟奇的な彼女』のクァク・ジェヨン監督が日本のスタッフとともに制作した『僕の彼女はサイボーグ』(主演:小出恵介、綾瀬はるか)です。クァク監督はロケ現場に“マイキムチ”を持ち込んで皆と一緒に食事を取るなど、現場はアットホームな雰囲気だったそうです。北海道が大好きだというクァク監督は、同年の秋、<札幌国際短編映画祭>のゲストとして再び来日しました。「今度は北海道を舞台にした映画を作りたい」と熱く語っていたのが印象的です。
−韓流ファンに教えたい、ここだけは知っておいてほしい韓国
共通点が多く似ているけれども、深く入り込むほど遠くなるのが韓国。考え方も文化も近いように見えて、意外な違いに驚くことがあります。言葉もお互いに似ていますが、学べば学ぶほど難しくなっていきます。韓国の人も同じことを感じているようです。日韓の違いに目を向けて、それを楽しめるようになれば本当の韓国好きですね!
−韓国の俳優や歌手の日本進出について思うこと
お目当てのスターを間近で見られるのは、ファンにとってはうれしいことに違いありません。ただ、時々「本業はどうしたの?」と言いたくなるようなタレントさんがいるのも事実ですね…。
−最後に芳賀さんが感じる韓国の魅力とは
人との距離が近いこと。知り合ったばかりの人でも垣根は低いと感じました。また、住んでいたときはあらゆる場面で韓国の人に助けてもらいました。日本だとお節介すれすれのことも、韓国だと自然に受け入れられるんですよね。
それから、何といっても食べ物です。パンチャン(常備菜)の皿がずらりと並ぶ食卓は目も楽しませてくれます。韓定食やサムギョプサル(豚の三枚肉)もいいですが、懐かしくなるのは職場や家の近くにあった普通の食堂ですね。
芳賀恵さんは月〜木の午前中に放送しているFM北海道『ビビッド・クルール(http://www.air-g.co.jp/vivid/)』で毎週火曜日、韓流という枠にとらわれない“普段着の”韓国を伝えている。今回のインタビューでも、伝える側の目線から“韓国”を伺うことができた。
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