足立盛二郎氏 [ 拡大 ]
日本郵政の新副社長2人が注目されている。28日に承認された前官房副長官補の坂篤郎氏と、元郵政事業庁長官の足立盛二郎氏という官僚OBだ。「史上最強の次官」と呼ばれた元大蔵事務次官の斎藤次郎新社長を支える日本郵政の「大政」「小政」だが、ともに民主党と因縁を抱えている。
坂氏は東大法卒、1970年に大蔵省入省。主計畑などエリートコースを歩み、橋本内閣で総理秘書官に。その後、主計局次長などを経て、農林漁業振興公庫副総裁となったが、小泉内閣の末期に首相官邸に戻され、小泉、安倍、福田内閣で官房副長官補を務めた。
「安倍、福田両首相とも、坂氏を買っていた。利害調整が抜群で、『官房長官級の官房副長官補』といわれたことも。ただ、麻生首相とは肌が合わず、外された。麻生内閣が迷走した一因として『坂氏が官邸にいなかったから』という声まであった」(官邸周辺)
当然、民主党とは“敵対関係にあったわけで、昨年3月、日銀総裁人事をめぐり、福田官邸は何度も財務省出身者を総裁候補とする人事案を提出して民主党に次々と蹴られたが、この背後にいたのが坂氏とされる。
今回の抜擢は、亀井静香郵政担当相と斎藤新社長が「あいつはクセがあるが使えるぞ」と引っ張ったとされる。ただ、安倍、福田両政権時、公務員制度改革の抵抗勢力としても暗躍したとされる坂氏だけに、民主党政権で日本郵政副社長に起用されるとは何という因果なのか。
足立氏にも奇縁がある。68年に東大法卒で郵政省入省。官房審議官や近畿郵政局長、簡易保険局長などを経て、2001年1月に郵政事業庁長官に就いたが、同年4月に「郵政民営化」を掲げる小泉純一郎氏が首相となり、たった1年で職を追われた。
亀井氏が、宿敵・小泉氏に弾かれた足立氏を起用したとされるが、実は、足立氏は日本棋院の副理事長でもある。囲碁といえば、民主党の実力者・小沢一郎幹事長や、長年の盟友である斎藤新社長の共通の趣味。何やら背景がありそうだ。