結婚詐欺の容疑で逮捕された東京都豊島区の無職の女(34)は不審死した男性や金をだまし取った男性らとインターネットの「結婚サイト」を通じて知り合っていた。いずれも結婚を前提に近づき、数十万円から数千万円の金をだまし取っていたが、なぜ男たちはたやすくだまされてしまったのか−。
「出会い系サイトでのトラブルの8−9割は女性が被害者。体と金が満たされればポイ、という短絡思考の男による単純な犯行が大半ですが、(結婚サイトなどでの)女の詐欺は男のそれよりはるかに悪質。男性の心の奥深いところに入り込み、真綿で首を絞めるように時間をかけながら、すべてを容赦なくむしりとっていく。今回の事件にも、そうした傾向を感じます」
こう話すのは、出会い系サイトにおける男女間のトラブルに詳しい離婚カウンセラー、岡野あつこ氏。岡野氏によると、20−50代の婚活中の男性はもちろん、最近は60−70代前半の男性の被害も相次いでいるという。
「被害男性に共通するキーワードは、『さびしさ』と『自負』です。未婚や離婚、死別による心理的な不安や『さびしさ』を抱える男性は、悪意のある女には最高のカモ。冷静に考えれば、そう簡単に女性との関係がうまく進むはずはないのですが、男性の側に何かひとつでも他人に自慢できる『自負』があれば、その自負に女性が魅力を感じているのだろうと思い込み、自ら疑念を封じ込めてしまうのです」
では具体的に、だまされやすい男性とは、どのようなタイプなのだろうか。出会い系や結婚サイトによる詐欺事案を多く取り扱う日本総合探偵事務所(大阪)の淡野茂夫調査員(46)によると、(1)女好き(2)結婚願望が強すぎる(3)根暗(4)マイナス思考(5)優柔不断−などが挙げられるという。
「もちろん、“モテないくん”がだまされるケースもありますが、見た目はそれほど悪くないのにだまされる人もけっこういます。だまされた男性の多くは、大手ポータルサイトや有名結婚紹介所が運営する結婚サイトを利用しており、その名前に安心感を持ってしまうようです」
総合探偵社よいルーム(東京)の吉沢真一郎調査員(33)は被害を未然に防ぐ心得として「女性と体の関係が成立しても過信しないこと。もしも金の話が出たら“保険”をかけること」と言う。
「詐欺女は、男をだますためなら体を差し出すことなど朝メシ前。『あなただけが頼り…』といったオーラを全開にしたうえで、次は『実はお金が必要なの…』となります。その際は、女性への愛情に対する保険のつもりで、プロの探偵に女性の素性や生活ぶりを調べさせるといいでしょう。その結果、悪意がないことが分かれば愛情はより強固になるはずです」
男性がだまされる手口は単純で、一度も会うことなく写真とメールだけを信用して身ぐるみをはがされたケースもある。婚活中の人は、くれぐれもご用心を。