(上)の合成樹脂を手袋に入れると手が固定される [ 拡大 ]
警視庁と埼玉、千葉、神奈川県警は先ごろ、電車内への防犯カメラ設置など痴漢対策への協力を鉄道事業者に呼びかけた。警視庁が先月、女性を対象に行った調査では、8割以上が「痴漢にあったことがある」と回答しているが、中には“冤罪”もありそうだ。実際、多くの男性は、痴漢に間違われないように満員電車の中での“防衛策”に四苦八苦している。そんななか、画期的(?)な痴漢・痴漢冤罪予防グッズが発売された。
このグッズは、長崎県佐世保市のベンチャー企業「マインドバンク」が開発した「男のグー手袋」(右手用、左手用の2タイプ、各1500円)。東京でサラリーマン生活を送り、満員電車の通勤経験もある同社の下山俊雄社長(60)が、「痴漢冤罪報道が相次いでいるのを見て思いついた」という。
下山社長は「一度でも痴漢に間違えられてしまうと無実を証明するのは困難で、男性は弱い立場に立たされる。被害に遭わないためには物理的に自らを痴漢ができない状態にすればいい、と思いついた」と、開発の経緯を語る。
「男のグー手袋」は一見するとただの手袋だが、内部には指を曲げた状態のまま動けなくする合成樹脂が装着されている。商品名の通り、自分の手を強制的に拳を握ったような形にすることで、平手による女性の尻への接触をできなくするという発想の商品だ。
下山社長がこのアイデアを思いついたのは1年前。今年1月から製作に着手し、試行錯誤を繰り返して6月末に完成したという。さすがに夏場の手袋には違和感があるため、寒くなる季節を待っていた。主にインターネットでの販売を予定しているという。
下山社長は「通販で携帯用の吊り輪を販売してけっこう売れたと聞いた。西武鉄道の株主総会では、痴漢冤罪防止のため男性用車両の導入が提案されたという話もある。男性の乗客には幅広いニーズがあるはず」とヒットに自信を見せている。
無実を証明するのに、自らを“拘束”しなければならないとは何とも情けない話だが、それほどまでしないと痴漢冤罪を防げないというのもまた現実なのかもしれない。