鳩山首相が巨額資産の一部を株式で運用しているのは有名だが、2009年に入ってからも、みずほフィナンシャルグループなど東証1部上場の8銘柄を取得していたことが分かった。国家予算のやりくりに苦労している鳩山政権だが、自身の資産運用の「手腕」はどんなものなのか。市場関係者が分析した。
鳩山首相が09年に取得したのは、みずほフィナンシャルグループ(7万2000株)、東急不動産(3万7000株)、商船三井(2万1000株)、東芝(1万7500株)、三井物産(1万1000株)、パナソニック(7000株)、九州電力(4300株)、NTTドコモ(40株)の8銘柄。
こうした銘柄を今年に入ってから新たに買い増したことについて、大手証券のアナリストは「08年9月のリーマン・ショックをへて、今年3月には日経平均株価が7000円割れ寸前まで下落した。いつ取得したかにもよるが、歴史的な安値水準をつけた年に買い増しするのは相場観としては素晴らしい」と評価。
投資した8銘柄については「オールドエコノミー(従来型の産業)に偏っている印象だ」と指摘する。
8銘柄をみると、銀行や不動産、海運、電機、商社など主要分野を代表する、誰もが知っている歴史の長い企業が大半。「相場の世界では、自分が理解できる分野や銘柄に特化して投資するのは1つのスタンスとして間違っていない」(前出のアナリスト)というから筋のいい銘柄選択をしているようだ。
ただ、市場では自動車向け電池などで注目を集める「ジーエス・ユアサ コーポレーション」が鳩山銘柄として話題になったが、今回は含まれていない。前出のアナリストは「民主党政権が政策の柱に据え、今年の相場のテーマにもなっている環境関連の銘柄があまり見あたらないのが不思議だ。いずれにしても総選挙や政権交代のかたわら鳩山首相自身が株取引をしていたのなら、まさに八面六臂(ろっぴ)の活躍だ」と皮肉を込めて語った。