総額1億円以上の結婚詐欺を働き、ネットを通じて知り合った6人の男性が不審死を遂げた無職女(34)が、資産家の主婦にも近づいていたことが分かった。関西在住の主婦のブログに、「仲間になりたい」などとメッセージを送って知り合い、主婦の紹介で整形手術を受けていたことも判明。「別人」とも言われているスラリとした顔の下半分の写真をブログで公開したのは、整形手術の直後だったという。
「疑惑が報じられるにつれて、ものすごい自責の念にかられました。彼女の気持ちをあおってしまったのは、私だったのではないかと思って…」
こう語るのは関西在住の30代の主婦。夫は医師で、実家は代々続く名家。自宅では家政婦を雇い、自身は高級料理学校やセレブ女性養成学校に通学。子息も有名私立学校に通わせている正真正銘のセレブ妻だ。
そんな主婦の優雅な日常をつづったブログに、女がメッセージを送ってきたのは2006年秋だった。女は、主婦と自分のハンドルネームが似ていることやアンティークや芸術に興味を持っている点などが共通している−と書き、主婦の興味を引いた。
返信した主婦に対し、女は「自分の実家は北海道の名家で、フェリス女子大を出た。いまはピアノ講師とフードコーディネーターをしているが、実家から婿取りを強制されているため、医療従事者との出会いを求めて婚活中」などと自らの妄想を織り交ぜた“身の上話”を披露。主婦は、自身と近い身の上に親近感を抱き、互いのブログで紹介した食材やアイテムを実際に贈り合う仲になったという。
「翌年の冬に私の子供が生まれた時には、彼女も私も大好きだった君島十和子さんのブランドの産後ケアグッズやローヤルゼリーをいただきました。いずれも2万円近い品で、とても驚きました。彼女の行動力や社交性に敬意を覚えました」
女は、主婦が友人たちと作っているセレブコミュニティーにも参加。他の複数のセレブ女性とも連絡を取り合うようになった。当時、女の素性を疑う人は皆無だったという。その信頼を逆手に、女は主婦に次のような“売り込み”をしてきた。
「私が新しい家政婦を探していることを知った彼女は、しきりに自分を雇うように言ってきました。将来に備え、医師の夫が安らぐ環境を見ておきたいとか、私とスクールに通いたい、夫の知り合いの医師を紹介してほしい…といった理由で、何度も電話をかけてきました」
結局、女が家政婦として招かれることはなかったが、2008年春、主婦は意外な形で女と初対面を果たすことになる。
「彼女が美容整形を望んだため、当時大阪で有名だった整形外科を紹介したところ、本当に来阪されたのです。手術後に市内のカフェで会うと、あごを細く見せる『顎プロテーゼ』の手術を受けたと話していました。そのすぐ後に、スラリとなったあごの写真がブログに載ったので、とてもよく覚えています」
主婦と女はその後も頻繁にやり取りを続けたが、今年9月から突然、音信不通に。そして今回の報道が飛び出した。
主婦は、「(千葉県・野田市の)男性が亡くなった日のブログには、私の友人が紹介したグッズのことが平然と書かれていました。周囲の方々をだますために、私や友人が利用されたのだとしたら本当に残念でなりません。ただ、もしも私たちから何らかのプレッシャーを感じた結果、暴走してしまったのだとしたら、取り返しがつかない思いです」と話している。