鳩山内閣が無駄洗い出しのため行政刷新会議が行う「事業仕分け」で、いわゆる「思いやり予算」(在日米軍駐留経費負担)に切り込む姿勢を見せている。一部で「上納金」と呼ばれるほど、不可解な使途と範囲が指摘されていたが、どこまで本当に切り込めるか。
思いやり予算は1978年、62億円で始まった。当初、在日米軍基地で働く日本人従業員の手当て部分だけだったが、今では全従業員の給与と手当て、司令部棟や滑走路などの軍事施設から、米兵の住宅や学校、銀行、病院、ショッピングセンター、劇場、教会などの施設建設費、光熱水費、訓練移転費なども含まれ、2009年度では1928億円まで膨れ上がっている。
日本が建てた米兵住宅の豪華さは驚くばかり。防衛施設庁の資料では、低層4寝室タイプで、延べ床面積は157平方メートル。司令官用の家族住宅(4寝室)に至っては、234平方メートルと、まさに豪邸というしかない。
昨年4月2日の衆院外務委員会で、民主党の渡辺周総務副大臣は、思いやり予算の対象者にバーテンダー76人、クラブのマネジャー25人、宴会係マネジャー9人、ゴルフコースの整備員47人が含まれていることを挙げ、「米兵の余暇のため、何でここまでしなきゃいけないのか。日米同盟の発展にどう関係するのか」と指摘した。米兵1人あたりに対する経費負担額は、同じく米軍基地を抱える韓国やドイツの5倍前後にもなるという。
民主党は08年4月、契約内容が不透明だなどとして、思いやり予算を3年間延長する特別協定案に反対している。政府・与党内には「支出を減らすのは当然」と言う声は強いが、普天間基地移転問題等で日米関係がギクシャクしているだけに、微妙な影響も出そうだ。
【思いやり予算の推移】
1978年 62億円
1979年 280億円
1980年 374億円
1985年 807億円
1990年 1680億円
1995年 2714億円
1999年 2756億円
2000年 2567億円
2005年 2378億円
2006年 2573億円
2008年 2083億円
2009年 1928億円