たばこ1箱600円時代に突入か−。厚生労働省が「健康増進」を目的に現在の価格(1箱300円)から一気に2倍となる大幅増税案をぶち上げた。景気低迷による税収不足を穴埋めする狙いもあり、鳩山由紀夫首相も前向きだ。一方、財務省は増税による値上げで販売数量が減少し、増収効果は限定的との見方が強い。大幅増税となれば、愛煙家の財布に与える影響は必至だが…。
「まず600円に設定し、(翌年以降に)700円、800円と段階的に引き上げることも考えられる」
長浜博行厚労副大臣は6日、来年度税制改正を議論する政府税制調査会で、個人的な見解としながらも、たばこ税率の段階的な大幅引き上げ案を示した。たばこ増税は「環境、人間の体の面から見て増税はあり得る」と主張する鳩山首相が政府税調への諮問で検討を指示。長妻昭厚労相も「ヨーロッパ並みの金額にする必要がある」と増税容認派だ。
現在のたばこ税は1箱300円のうち、たばこに1本8・7円の税金が含まれている。国と地方を合わせて年2兆円を超える税収がある。海外はどうか。4月時点の代表的な銘柄のたばこ税額をみると、日本が1箱当たりで約174円なのに対し、米国(ニューヨーク州)約513円、英国約512円、フランス396円…と軒並み高い。
「欧米並み引き上げ」を主張する厚労省側に対し、財務省は「健康を考えるならニコチンの含有量によって重くしたり軽くしたりする改革はあり得る」(藤井裕之財務相)と、増税色が前面に出ることを警戒。
大幅増税でたばこをやめる人が増え、逆に税収減につながるとの見方もあるためだ。全国に約1万2000戸ある葉タバコ農家も、増税による消費減少を懸念し、反発している。
たばこは平成に入り3度の増税が行われ、年末の税制改正論議では「狙い撃ち」(自民中堅)のように、ほぼ毎年、たばこ増税案が浮上している。果たして4度目はあるのか−。