冬のボーナス50年ぶりの激変
2009年11月7日(土)10時0分配信 日刊ゲンダイ
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今年はサラリーマンにとって、いつにも増して厳しい冬になる。ボーナスが激減するのは確実だからだ。厚生労働省が2日に発表した「平成21年夏季賞与の結果」によると、民間企業の夏のボーナスの平均支給額は36.3万円だった。前年比では9.7%減。これは統計開始以来、最大の下げ幅である。だが、本番はこれからだ。
「冬のボーナスは、さらに厳しい内容になるでしょう。経団連の調査では、東証1部上場企業の冬のボーナス妥結額は、前年比マイナス15.9%と大幅減。減少率は過去最大で、しかもここ50年で初めて2ケタ減を記録しました。大企業でさえこうなのだから、中小企業はもっと悲惨。2割減は当たり前で、ボーナスが出るだけで御の字です」(SMBCフレンド証券ストラテジストの中西文行氏)
上場企業のボーナス減少率を業種別に見ると、「非鉄・金属」が22.38%減で最も大きく、次いで「自動車」が22.20%減、「電機」が18.88%減と続く。製造業全体では18.53%減だ。
トヨタ自動車は、春闘で決着していた冬季一時金の額(93万円)を労使間で再協議することになった。業績の悪化で、減額は避けられない見通しだ。
こうなると、サラリーマンには住宅ローンのボーナス払いが重くのしかかってくる。返済に困る人が急増するとみて、大手行は相談窓口を増やすなどの対応を本格化した。
「住宅ローンは、延滞してからでは手の打ちようがない。とにかく早めに相談して欲しい」(大手銀行担当者)
●上場企業サラリーマンも初の2ケタダウン
サラリーマンにとって痛手なのは、賞与算定のベースになる所定内給与が16カ月連続で減少していることだ。つまり、同じ「2カ月分」でも金額は昨年より目減りしてしまう。ベースがダウンしている上に、支給月数まで減らされる可能性が高いのだから、世知辛い。
「ボーナス激減は消費不振に拍車をかける。年末商戦も冷え込みます。流通業や製造業を中心に、企業の業績は悪化。株価が下がり、給与はダウン。ますます消費が低迷――。こういう悪循環に陥ろうとしているのです。さらに新型インフルエンザが大流行でもしたら、大変な事態になる。年を越せない企業が続出です。昨年末は“年越し派遣村”が話題になりましたが、もはや他人事ではありません。今年は、ボーナス激減で困窮したサラリーマンが、年末の日比谷公園に集まっているかもしれないのです」(中西文行氏=前出)
給与は増えず、夏のボーナスが減ったことで、庶民の財布のヒモは一気に固くなった。
10月の百貨店の売り上げは2年前の2割減まで落ち込み、スーパーなども軒並み、売上高の前年割れが続いている。冬のボーナス激減は、この青息吐息の日本経済にとってトドメの致命傷になりかねない。
民主党政権はモタモタやっている場合じゃない。ボーナス大不況が、2番底の引き金になる恐怖が迫る。
(日刊ゲンダイ2009年11月4日掲載)