F1撤退でホッとしているトヨタの内情
2009年11月8日(日)10時0分配信 日刊ゲンダイ
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トヨタが4日、自動車レースのF1から撤退することを発表した。F1チームの山科忠代表が会見で泣くなど、重苦しい雰囲気だったが、トヨタにしてみれば、「ホッとしている」のが本音だろう。経済ジャーナリストの重道武司氏が言う。
「F1参戦後発のトヨタは、ヨーロッパの市場開拓を目的にしたが、てんで成果が出なかった。それなのに、F1は金食い虫で年間数百億円もかかる。それでも燃費向上という技術的目的があったので耐えてきた。しかし、時代はハイブリッドや電気自動車にシフトし、ガソリン車の燃費向上は意味をなさなくなりつつある。トヨタにとってF1は完全にお荷物だったのですよ」
そこに2期連続赤字と米国でのレクサス大量リコールが重なった。
「今しかチャンスはないとばかりに切ったのだろう」(トヨタ事情通)といわれる。自身も耐久レースに出場したことがある豊田章男社長は「レースは車を鍛え、人を育てる」とレースに参加してきた意義を語ったが、「コスト削減であらゆる手を尽くした。撤退せざるを得ない」と言い、「心よりお詫びします」と頭を下げた。F1をめぐってはホンダが昨年からレース撤退、ブリヂストンも来年限りでタイヤ供給を打ち切る。
しょせん、日本人が手を出すスポーツではなかったのかもしれない。
(日刊ゲンダイ2009年11月5日掲載)