女も絶対ソノ気になる“正しい鍋奉行道”
2009年11月2日(月)10時0分配信 日刊ゲンダイ
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「鍋なら任せてよ」――腕が鳴っている“奉行”のアナタ、ちょっと待った。張り切って催した独身同士の鍋パーティーが、いつしか“ごった煮”をつつくハメになった経験はないか。それは、仕切り以前の問題なのだ。
●寄せ鍋は“無秩序状態”に
では、〈正しい鍋奉行道〉とはいかなるものか。料理研究家の渡辺利子さんが、意外なことを言った。
「鍋パーティーでは、寄せ鍋やちゃんこ鍋など、具が多いものは避けるべき。これが大前提です。理由は、具を足すうちに煮えていないものが先に食べられ、煮詰まったものに誰も手をつけない“無秩序状態”に陥りやすいからです」
寄せ鍋やちゃんこ鍋ももちろんうまい。でも、本格的な味を追求すれば手間がかかる。魚は臭みを取るためにさっとお湯にくぐらせ、野菜も煮えやすいように下茹でするなど、下ごしらえは膨大だ。前日から仕込んでやっとこさ築き上げた“秩序”を、せっかちで無神経な客にいとも簡単に乱されたんじゃあ、たまらない。
●具は2品、これが王道
寄せ鍋がNGとなると、いったい何を振る舞えばいいのか。答えは、シンプルに〈主役の具プラスアルファ〉だという。
「具は2品までに絞ること。たったこれだけで、鍋パーティーがリッチになり、鍋奉行のアナタも楽チンです。かの有名な作家、池波正太郎氏もそう言っています。アナタが集中すべきは、極上の主役素材と野菜1品を手に入れることだけ。素材が新鮮なら、余計な下ごしらえも不要です」(渡辺さん=前出)
マグロと長ネギなら〈ネギマ鍋〉、ブリと水菜の〈ブリしゃぶ〉、カキと大根で〈カキ鍋〉――独身男同士でとことん飲むなら、豚バラとホウレンソウの〈常夜鍋〉もいい。そういえば、渡辺淳一の「失楽園」に出てくる〈不倫鍋〉も、鴨とクレソンだけのシンプルなものだった。
「『いい鴨肉が手に入るから、鴨とクレソンの鍋食べにウチに来ない?』と誘うほうが、彼女も絶対ソノ気になります。『寄せ鍋パーティーしようよ』では、アピールにもなりません」(渡辺さん=前出)
具が2品の鍋なら、ひとりの家飲みでもすぐに楽しめる。まさに目からウロコだ。
<奉行の掟(1)>
◆最初から主役の具を人数分に分ける
ものぐさ奉行と言われても、各自が好みの煮え具合で食べられるから、秩序が乱れにくい。極上素材のシンプルな鍋には有効だ。
<奉行の掟(2)>
◆アク取りは絶対怠らない
極上の素材ほど、滋味深さゆえアクが多く出るもの。最初に具を分けてしまったぶん、アク取りには専念すべし。
<奉行の掟(3)>
◆凝るならスープよりつけダレ
素材のおいしさを堪能するなら、スープは昆布と水でOK。同じ具を飽きずに食べるには、タレと薬味のバリエーションを増やす。
(日刊ゲンダイ2009年10月30日掲載)