原因は“抜け駆け”接種
2009年11月7日(土)10時0分配信 日刊ゲンダイ
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●もう130万人分も不足の事態
「ワクチンを打ってくれ」――。全国の医療現場が、新型インフルエンザのワクチン“狂騒曲”に翻弄(ほんろう)されている。流行期に入り、接種を求める希望者が連日、殺到しているためだ。早くも国の計画が狂い始めている。
厚労省の計画だと、先月19日から始まったワクチン接種は、医師や看護師から始まり、続いて妊婦や持病のある人、1歳から小学校3年生の子どもの順で打つとされている。だが医療従事者の段階で、すでに国の割り当て計画(約100万人)を130万人分もオーバーする“異常事態”だ。
「医療機関の多くが医師や看護師だけでなく、事務職員らにも接種を希望しているためです。さらにコッソリと希望者に接種している病院もある。都内では、受験生を持つ親が『子どもがインフルエンザにかかる前に打ってくれ』と国の計画無視で怒鳴り込んでくるケースもかなりあります。来年から接種開始予定なのに『僕はもう打った』と得意げに話す小学生もいて、学校現場も大混乱です」(医療関係者)
ワクチン争奪をめぐるドタバタは尽きない。
「新型ワクチンは返品ができないため、予約対応の医療機関が多い。しかし入荷数が少ないことを告げても、希望者らは『カネを積めば優先順位を上げてくれるのか』と疑心暗鬼になっている。厚労省が当初1回接種にこだわったのは、こうした供給不足による混乱を防ぐ一方、副作用が怖い輸入ワクチンを避ける狙いがあったのですが、現場から『ワクチンが余ったら誰が買い取るのか』との反対意見もあって、2回に戻した。それがまた品不足感に拍車を掛けているのです」(厚労省事情通)
世界保健機関(WHO)の専門家会議でさえ、1回接種でいいと勧告しているのに、日本人は右往左往なのである。
医事ジャーナリストの志村岳氏はこう言う。
「日本には米国のような感染症行政のプロがいない。そのために施策や方針が変わり、医療現場や国民が混乱している。新型ワクチンについても誰も正確なことを分かっていないのではないか」
これで2回分6150円は高すぎる!?
(日刊ゲンダイ2009年11月4日掲載)