村民の生活を支えるゆず産業 大きく成長した理由は?
2009年11月8日(日)11時0分配信 R25
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「馬路村は豊かな自然以外には本当に何もない地域ですが、私たちが目指しているのは第一に組合員の生活向上です。ゆずが売れるようになれば、それを生産する農家の方々にも収入が発生しますし、事業にともなう人の出入りや物流も生まれ、村に活気が生まれます」(馬路村農業協同組合・営農販売課課長補佐 山崎友和さん)
その言葉の通り、馬路村農業協同組合(JA)と村民が一体となって作り上げたこのゆず事業は、今日では村の大切な糧となっている。その成功要因のひとつは、「商品と一緒に村の情報を提供してきたこと」だと山崎さんは語る。
「通信販売で全国のお客様に商品を発送する際、馬路村の情報を掲載したニュースペーパーを必ず同梱するようにしてきました。内容は村の雰囲気をお伝えするもので、『田植えの時期がやってきました』や『村の学校で運動会が催されました』などといった、季節ごとの情報を掲載しています。結果的にこれが馬路村の名前を認知していただくことにつながったのだと思います」(山崎さん)
特定のブログを定期的にチェックしているといつの間にかファン心理が芽生えることがあるように、コツコツと村の雰囲気や魅力をアピールし続けたことが、最大のブランディング効果を生んだわけだ。その結果、ゆず事業の成功が村にもたらした恩恵は大きい。
「現在、ゆず商品を製造している工場では80人ほどの従業員が働き、村内にある約170軒の農家のほとんどがゆずを生産しています。いろんな方に馬路村のゆずの魅力を知っていただき、ようやくゆずの市場を築くことができました。人口の流入もあり、Uターン就職よりもIターン就職で馬路村へ移住してくる若者が多く、JAでも現在15人ほど県外から採用した若いスタッフが働いています」(同)
UターンよりIターンが多いというのはユニークな現象だが、これも馬路村が全国にファンを増やし続けてきた成果のひとつだろう。
その一方で、農家の高齢化という課題も抱えている。さらなる地域貢献のためには、今以上に生産力を上げていく必要だってあるだろう。それでも、コツコツと努力を重ねてきた村だけに、しっかりと地に足をつけて将来を見据えている。
「いわゆる箱モノを建設するような願望はなく、村自体に手を加えるつもりはありません。少しでも多くの方に馬路村のゆずを知っていただき、10年後も20年後も現在の状況を維持していければと思っています」(同)
誰よりも、全国の馬路村ファンこそがそれを願っているはずだ。
(R25編集部)
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