宇宙は確かに膨張しているしかし宇宙に果てはない?
2009年11月1日(日)11時0分配信 R25
-PR-
「結論から言うと、私は宇宙に空間の断崖絶壁のような果てはないと考えています。現在の宇宙論は相対性理論をもとに考えますが、相対性理論で宇宙を考えるときには、宇宙はどこも同じ空間で、特別な場所は存在しないという“宇宙原理”を仮定します。あくまで仮定ですが、その結果導かれる宇宙のモデルは、現在の宇宙の様子をとてもうまく記述するものです。さて、宇宙原理を簡単に言うと、地球や他の天体がいま宇宙全体のなかでどの位置にあるのかを示すことはできない、つまり特別な場所は存在しないということ。当然、“中心”や“端”という特別な場所も存在しません。そこから2つの可能性が導き出されます。ひとつは宇宙が無限に広がっているという可能性、もうひとつは、宇宙空間は周期的、つまりループしているという可能性です」
宇宙が膨張していることはわかっているのに、そこに“中心”も“果て”もないって…なんだか禅問答みたい。ループしてるってのはどういうことですか?
「地球を西にずっと歩いていけば、東から出てきて最後は元の場所にたどり着きますよね。これと同じようなことで、もし宇宙空間がループしていたら、ある場所から放たれた光が宇宙を一周して別の場所から現れる、ということです。この場合、一見異なる2つの天体が実は同じ天体の異なる時代の姿だった、という不思議なことも起こりえます」
するとこういうことですか? ワクワクしながら望遠鏡で宇宙の果てを覗いてみたら、そこには自分の間抜けな後ろ姿があってガックリ、みたいな? ソレ面白すぎるんですけど!
「残念ながら、観測では宇宙がループしている証拠はまだ見つかっていないので、もしループしているとしても、宇宙の1周は、少なくとも現在の宇宙の大きさ470億光年よりは長そうです。いずれにせよ、どちらの説でも、相対性理論では宇宙に果ては存在しないわけです。しかし、これはあくまで仮説です。実際には、本当に果てがないか、どうしても観測で確認する必要があります。しかし、残念ながら、現在の宇宙の膨張は加速しているために、地球から遠く離れた天体は、近くの天体より速く遠ざかっていて、ある範囲を超えると遠ざかる速度が光速を越えてしまい、地球まで光が届かなくなるために観測ができなくなります。この境界面をハッブル半径といいますが、もしも将来、宇宙の膨張速度がゆるやかになって光速を下回れば、ハッブル半径が広がって宇宙の果てについてもわかるようになるかもしれません」
ずいぶん先の話なんでしょうね。えぇ、わかります。
「また、宇宙の外側には我々の宇宙とは物理法則が異なる宇宙があるという、マルチバース説があります。この説では物理法則さえ異なる他宇宙間は互いに干渉することはなさそうですが、もし2つの宇宙が重なり合う空間があるとすれば、そこは想像を絶するおかしなことになっているでしょうね」
なんと! 異なる2つの宇宙がぶつかり合うと! そこにあるのはやはり互いの存在をかけた意地ですか!? やがて2つの宇宙はハイタッチしてひとつになりますか!?
「それは知りませんけど。こんなことを言っている研究者もいます。私たちの宇宙の空間は3次元です。時間を合わせて4次元なのですが、この4次元の宇宙が、さらに高い次元、たとえば5次元の時間・空間の中に浮かんでいると考えるのです。想像が難しければ、2次元に住む平らな生物を考えてください。この生物にとっては、2次元の平面がすべてです。でもこの平面が3次元の私たちから見れば、球の表面だったりするわけです。この5次元の世界には、私たちの空間以外にも、他の空間が浮かんでいるかもしれません。二つの空間の衝突が、宇宙の始まり、ビッグバンを引き起こすのでは、と想像している研究者もいるのです。SF顔負けですよね」
なんと! 僕らとは別の次元が存在するなんて! あの…そっちに行けないんですかね?
「まだ、検出に成功はしていませんが、将来的には重力波という空間のさざ波を用いれば連絡できるとも考えられています」
はは〜ん。物理学者は「宇宙に果てはない」なんて言っておきながら、実はコッソリ宇宙の果てに興味津々ってことですね! このあまのじゃく〜! 過去の宇宙の姿から、宇宙の果てが解明されることを熱望します!
(R25編集部)
宇宙の端っこはどうなってるのか?はコチラ
※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびR25.jpから一部抜粋したものです
※一部のコラムを除き、R25.jpでは図・表・写真付きのコラムを掲載しております
■「エコ&テクノロジー」に関する過去のイチオシ記事
・宇宙よ、お前はどんだけ広いのか? (2009.10.20)
・マイナス196℃で遺体を冷凍!オトクな「脳だけコース」もあります (2009.10.06)
・「人工冬眠」が実現すれば寿命200歳の“究極の体”になる? (2009.10.06)
R25.jpの記事をもっと見たい方はコチラ。