宇宙よ、お前はどんだけ広いのか?
2009年10月29日(木)11時0分配信 R25
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「まず、“観測可能な宇宙”と“実際の宇宙”を分けて考える必要があります。一般に我々が宇宙というときは、前者のことをいいます。この観測可能な宇宙(可視宇宙)は半径約470億光年といわれています」
ん? ちょっと待ってくださいよ。宇宙の誕生は137億年前ですよね。なんで137億光年じゃないんですか?470億光年ってことは、宇宙は光速を超えるスピードで膨張してるってことですか? 確かアインシュタイン的には光の速度を超えたくないな〜とかなんとか言ってたような…。
「物体の運動が光速を超えることはできませんが、空間そのものの膨張は光速を超えることができるんです。こう考えてください。立ち止まっているあなたに向かって恋人が歩いてきます。ところが彼女は動く歩道に乗っていて、その歩道は彼女の進行方向に対して逆方向に動いている。すると彼女の見た目の速度は、実際に歩いている速度よりも遅くなり、なかなかあなたにはたどり着きませんよね。場合によっては2人の距離は徐々に遠ざかっていくこともあるでしょう」
ダハーッ! どこ歩いてんだオレの彼女は! …まぁ、考えてみたら彼女そのものがボクにはいませんけどね!
「宇宙でも同じことがいえるんです。宇宙は光を超える速度で膨張しています。すると光は見た目の距離よりもずっと時間をかけて移動することになる。現在地球で観測できる最も古い光は137億年前、宇宙誕生の38万年後に放たれたものです。しかし、当時の宇宙は今の1100分の1の大きさでした。当時にしたら、4300万光年の距離を旅しようとしたら、137億年もかかり、その間に距離が470億光年に拡大してしまったというわけです。つまり、この光が放たれた空間は宇宙の膨張によって、現在は470億光年も彼方にあるんです」
なるほど。いちばん古い光を放った天体がいま470億光年先にあるということは、宇宙の半径は470億光年ってことでファイナルアンサーですかね?
「この半径470億光年の球を観測可能な宇宙、球の表面を粒子的地平面と呼びます。この面の内側には数千億以上もの銀河があるんですよ。しかし、これはあくまでも我々の“観測可能な宇宙”の限界面にすぎず、その先にはまだまだ広大な空間が広がっていると考えられているんです」
う〜ん、数千億以上って…もうどうでもよくなってきました。それにしても宇宙ってなんでそんなに広がりたがるんですかね? 必死すぎてちょっと引くんですけど…。
「宇宙には膨張を加速させる“何か”があふれていると考えられています。これを“ダークエネルギー”と呼んでいます。宇宙の始まりにあったこのエネルギーがビッグバンを引き起こしたと考えられていますし、また、現在の宇宙の膨張を加速させていることも最近わかってきました」
あぁ、それならボクも知ってます。ダークサイドに引き込まれて、悪の道に染まるっていう例のエネルギーのことですね。コーホーっつって。
「違います。ダークエネルギーとは“検出できないエネルギー”、つまり未知のエネルギーという意味。残念ながら、その正体はまだよくわかっていないんです。どうも、真空自身がもつエネルギーではないかと疑われてはいますが。」
あの〜素朴な疑問ですけど、いくらなんでもそんなに膨張しちゃって大丈夫なんスか? コンドームだって割れるときは割れますからね。
「宇宙の膨張が徐々に遅くなっている限りは大丈夫です。しかし、観測で現在の宇宙の膨張は刻一刻と速くなっていることがわかってきました。この状態をインフレーションと呼ぶのですが、これでも宇宙の空間が壊れることは普通はないと思っています。しかし、あくまで仮説ですが、加速がさらに加速する、いわば“ハイパーインフレーション”といった状態になると、大変なことになります。この場合には、最終的には宇宙は膨張に耐えられなくなり、空間がバラバラに引き裂かれてしまいます。これを“ビッグリップ”と呼んでいます。もし、ビッグリップが起こると、銀河系や太陽系、地球はもちろん、我々の体も原子ごとバラバラになってしまうんです。ただし、あくまで可能性のひとつで、今のところ観測的な証拠はありませんけどね」
とにかく宇宙はとんでもないスピードでいまも膨張し続けてるということなんですね。それでもボクは知りたいんです。宇宙の果てになにがあるのかを!
(R25編集部)
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※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびR25.jpから一部抜粋したものです
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