日本最古の茶の産地とされる滋賀県甲賀市信楽町を中心とする「朝宮茶」の製茶業者と信楽焼の陶器業者が、自宅で簡単に手もみ紅茶の葉が作れる「信楽焼お茶手もみ焙炉(ほいろ)」を開発した。陶器製の家庭用焙炉は珍しく、日本語と英語の製茶マニュアルも付けて4千円程度で来年1月から販売し、自家製紅茶の普及を目指す。
茶は、もとは同じ葉でも、製法によって不発酵茶(煎茶(せんちゃ)、番茶など)、半発酵茶(ウーロン茶など)、発酵茶(紅茶)に変化する。
焙炉は葉を乾燥させるための道具。国内では、下からの熱で葉をあぶって湿気を取り去る木製作業台形のものが古くから使われ、現在も一部の高級茶づくりに用いられている。
今回開発された焙炉は直径約35センチの大皿形で、コンロにのせて使う。ネット販売などで茶葉を入手。水洗いした後、焙炉の上に散らばらせ、弱火で15分程度、焙炉にこすりつけるようにして手もみする。火をとめてそのまま約1時間おくと発酵が進んで葉が赤くなり、紅茶が完成する。もみ方によって渋みや甘みに強弱がつけられるという。
手もみ紅茶づくりにホットプレートを使用する愛好家もいるが、温度調整の難しさややけどの危険性があった。陶器は蓄熱性が高く、表面のざらつきで発酵を進ませやすいという。
焙炉を共同開発した茶城藤田園の藤田照治社長(67)は「それぞれの好みの味を研究してほしい。個人はもちろん、製茶業者にもイベントなどで使ってもらい、手もみ紅茶の楽しさが広まっていけば」と話している。