前原誠司国土交通相は29日午前、記者団に対し、日本航空の経営再建を検討してきた専門家チーム「JAL再生タスクフォース」から、「(同日中に再建問題で)報告を受ける」と語った。同チームは日航再建で、官民共同出資の「企業再生支援機構」の活用を提言するとみられる。提言を受けて前原国交相は、支援機構の活用を軸とした再建方針を表明し、政府内での本格協議に入る見通し。
政府は国民負担を抑えるため、退職者の企業年金の削減や、歴代経営陣の責任追及の徹底などを再建策に盛り込みたい考え。年金減額での特別立法策定も浮上している。
峰崎直樹財務副大臣も同日の会見で支援機構も選択肢の一つとした。そのうえで、今後、政府が対策本部設置を検討していることについて「今後、そういう考えがでてくる」と述べた。
今後の再建手続きは、支援機構が日航から正式な支援申請を受けた後、改めて資産査定を実施、年内にも同機構による支援の可否を決める。
その後改めて再建計画を策定し、公的資金による資本増強や政府保証付きの融資など公的支援での再建を目指す。国交省の専門家チームは月内で解散。当初想定されていた、同チームメンバーによる日航の経営陣への参加は見送る。
ただ支援機構による正式な支援決定までには一定の時間がかかるため、支援を補完する目的で、日航は近く私的整理の手法の一つである「事業再生ADR(裁判外紛争解決)」の手続きに入る。
これによって日本政策投資銀行などが実施する、1800億円のつなぎ融資に政府保証を付けるなど資金繰りを支え、融資残高の維持に万全を期す。
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【用語解説】企業再生支援機構
経営不振に陥った企業を再建する目的で国が設立した官民共同出資の企業再生ファンド。企業支援を通じた地域経済の立て直しも図る。政府保証付きで最大1兆6千億円の資金を調達でき、対象企業への出資・融資や債権買い取りを行うほか、経営陣の派遣などにより経営再建を主導する。機構は、企業や金融機関からの支援申請を受けた後、資産査定などを行った上で支援の可否を決定する仕組みになっている。