来年3月にも着工されるJR大阪駅北側の梅田北ヤード(大阪市北区)の先行開発区域で、最先端の環境技術を結集して街全体で一元的にエネルギー管理を行うことが29日、分かった。既存設備を導入する場合と比べ、温室効果ガスを少なくとも約15%削減できると、三菱地所など開発事業者が予測している。さらに屋外緑化や太陽光発電などの効果も積み上げる計画。開業後も街全体で省エネ活動に取り組み、「環境」をテーマとする2期再開発事業を先取りする「環境共生都市」のモデル形成を目指す。
開発事業者が大阪市に提出した北ヤードの環境影響評価準備書によると、予測の対象はオフィスや商業施設が入る予定のAブロックと、中核施設のナレッジキャピタル(知的創造拠点)やホテルなどが入居予定のBブロック。
開発事業者12社が一体的に環境対策に取り組み、高層ビルなど街全体の空調に最先端エネルギー管理システムを導入する。ビル群全体で、季節ごとに運転効率が最大になるよう空調機器を制御し、自然の風を換気に積極的に取り入れる。
また、ヒートアイランド対策として、先行開発区域(延べ床面積=約50万平方メートル)のすべての低層階屋上に緑化庭園計約1万平方メートルを配置する。
これらの環境対策の導入で、開業後の施設利用で排出される二酸化炭素(CO2)を14・9%削減できると予測した。
さらに、今回の予測では対象外とされたCブロック(住居などを建設)や公共広場でも植栽や水辺空間などを取り入れるほか、報告書の提出後も新たに太陽光発電やLED照明、自然採光などを導入することを決定。開発事業者の三菱地所は「街のあちこちに省エネ手法をちりばめた“環境ショーケース”を目指す」としている。
開発事業者は、24年度に予定される先行開発区域の開業後も街が一体となって環境対策などを進める方針で、9月に推進主体となるTMO(タウン・マネジメント・オーガニゼーション)設立準備委員会を立ち上げた。TMOは、街全体の運営管理やブランド向上などを手がけ、環境維持や技術更新などを一元的に推進。同委員会は「持続可能な都市再開発のモデルケースにしたい」としている。