■発疹で鏡の私はまるで別人… 本番前、無理矢理に「特殊メーク」
報道情報番組「ムーブ!」(朝日放送)で知られる女性アナウンサーが、視聴者の知らない舞台裏で、絶えず深刻なアレルギーに悩まされていた−。そんな衝撃の告白をした元同局アナウンサー、関根友実さん(37)。アレルギーが次から次へと体中を行進する病状「アレルギー・マーチ」と幼いころから向き合ってきた。現在はフリーで活躍する一方、支援団体「医療を支える関西オカンの会…時々、オトン」を立ち上げ、医療現場の最前線も取材する日々だ。(聞き手 植木芳和)
−−「アレルギー・マーチと向き合って」(朝日新聞出版)の出版から約半年、反響はいかがでしたか
関根 同じ病状に悩む読者から「アレルギーに悩む自分自身を認めてあげる気持ちになった」などと作者冥利に尽きる手紙をたくさんいただきました。意外だったのは、医療関係者が患者としての私に関心を持ってくれたことです。
−−それにしても、本を読むまで、まるで気づきませんでした
関根 生まれたときからアレルギーと名の付くものにはほとんどかかってきました。そもそもテレビは“マジック”なんです。カサカサの皮膚に特別なファンデーションを塗り重ね、スタジオのライトで照らすと、肌は健康に映ります。
−−具体的にはどんな症状なんですか
関根 幼少期のアトピー性皮膚炎に始まり、思春期のころにアレルギー性鼻炎を発症。成人を迎えるころには合併症のアトピー白内障で手術し、社会人になってからは気管支炎喘息(ぜんそく)が襲いかかり、アレルギー性鼻炎が悪化した末に嗅覚(きゅうかく)障害で現在も匂いの感覚は失ったまま。食物アレルギーなど新たな疾患も出ています。
−−あまりにもひどい
関根 フリーで復帰してからは原因不明のジンマシンに襲われるようになりました。オンエアに影響したこともあります。体中がしびれるようにかゆく、発疹(ほっしん)がみるみるうちに全身に広がりました。気道が腫れて呼吸が苦しくなり、恐る恐る鏡をみると、まるで別人の私がいました。
−−想像できません。
関根 まぶたが大きく腫れ上がり、目が完全に一本の線になった顔が鏡に映りました。いつもは側を離れない娘も、尋常でない状態の私の顔におびえ、近づきさえしませんでした。
−−番組スタッフも驚いたでしょうね
関根 出社するとみんなが私の顔を見てびっくり仰天。「ワレワレハ、地球ヲ包囲シタ」と宇宙人のまねしておどけてみたけど、正直テレビに出られる顔ではありませんでした。
−−面白いけど、本番前では笑ってもいられないですね…
関根 早朝のため代役も立てられず、シャドーやチークで無理矢理に顔の立体感を出し、膨張したまぶたにのめり込むような太めのアイラインを引いた「特殊メーク」で細工してもらいました。顔ができる限り画面に小さく映り込むようカメラも遠目に映してもらい、スタッフが懸命にフォローしてくれました。
◇
【プロフィル】関根友実
せきね・ともみ 昭和47年兵庫県生まれ。お茶の水女子大卒。平成7年朝日放送入社。12年に退社し、13年女児を出産。14年にフリーとして復職し、「おはようコールABC」「ムーブ!」の司会を務めた。今春著書「アレルギー・マーチと向き合って」を出版。現在はABCラジオ「ドッキリ、ハッキリ、三代澤康司です」(木曜)などに出演、支援団体「医療を支える関西オカンの会…時々、オトン」代表も務める。