■賃貸多い吹田減、分譲多い豊中増
大阪府豊中市と吹田市にまたがる「千里ニュータウン」で最近5年間、豊中市側地域の人口が約3200人増加している半面、吹田市側地域では減少の一途をたどり約3600人減っていることが分かった。まち開きからおよそ半世紀がたち、公共賃貸住宅よりも分譲住宅の建て替えが先行し、分譲が多い豊中側で子育て世帯の流入が増えているためだ。ただ、今後は府や府住宅供給公社が両市で賃貸住宅の建て替えを本格化させることから、少子高齢化が進むニュータウン全体で人口バランスの回復が期待される。
千里ニュータウンは最初のまち開きから47年が経過し、建物が老朽化しているが、豊中、吹田どちらも建て替えが進んでいるのは分譲住宅が中心。分譲の割合が高い豊中側では平成17年から、子育てに向いた住環境を求める30〜40代と就学世代の流入が、人口の自然減を上回っている。しかし吹田側は社宅が多く分譲の割合が低い特徴があり、人口が年々減少している。
両市の住民基本台帳(豊中は各年10月1日、吹田は9月30日現在)によると、ニュータウンの豊中市側は17年の2万8174人から21年には3万1358人へと3184人(11%)増加。このうち0〜14歳に限ると29%増えている。一方で吹田市側は17年の6万1749人から21年には5万8128人と、3621人(6%)の減。0〜14歳でみると9%弱減った。千里ニュータウン全体では、65歳以上の割合がこの5年間で約4ポイント増えて30%に達しており、少子高齢化が進んでいる。
そこで人口バランスの回復に欠かせないのが、老朽化した公共賃貸住宅の建て替え。大阪府は府営住宅を10年かけて建て替えるが、両市の3団地で第1期工事が始まっている。いずれも高層化して戸数を維持し、余った土地を民間に売却したり緑地にしたりして有効活用を図る。
府住宅供給公社も24年度までに両市の5団地の建て替えを完了させる。また、すでに2カ所を介護施設を併設した高齢者住宅として建て替えており、ニュータウン郊外の独居高齢者を駅に近い住まいへ“流動化”する取り組みを始めている。
一方、UR都市機構(旧日本住宅公団)は、ニュータウン内で9団地を管理しているが、具体的な計画には至っていない。
豊中市の担当者は「若い世代が入居できないのが問題だった。若年層が入れる住宅の確保が求められており、建て替えの効果が出てくるのはこれから」としている。
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【用語解説】千里ニュータウン
日本で初めての本格的なニュータウンとして昭和37年、大阪府吹田市側地域が最初にまち開き。豊中市側地域は41年から4〜5年かけて開発された。人口は50年ごろの約12万9千人をピークに減少が続き、現在は約9万人。民間住宅と府営、公社、公団(現UR都市機構)の各団地がある。分譲マンションなどは駅に近いところから次々と開発されており、公共住宅の建て替えはこれから本格化する。