政府の法制審議会(法相の諮問機関)が10月28日、民法の成人年齢について「18歳に引き下げるのが適当」とする答申を千葉景子法務大臣に提出した。
「風」で成人年齢の引き下げを取り上げたのは法制審の部会が成人年齢を2歳引き下げるとの報告書を法制審に出したためだが、今回の答申は、この報告を受けての結論で、18歳成人を容認する一定の筋道はついたということだ。
ただ、引き下げ時期については「国民の意識を踏まえた国会の判断に委ねるのが相当」として明記しなかった。実際に引き下げるには成年・未成年など年齢基準がある約300の法令を見直し、法改正をしていく膨大な作業があるなどの理由で簡単にはいかないのが現状。しかも「国民の意識」という最後のハードルは国会の場での“国民的議論”に委ねられており、引き下げの時期は不透明だ。
以前も書いたが、内閣府が昨年9月に発表した世論調査では、引き下げには約8割が反対。当事者である18〜19歳だけをみても賛成は2割にとどまった。「風」に寄せられた意見も反対が多い。これらをみると、確かに、今すぐ引き下げるのは、結論を急ぎすぎているとの印象が強い。
この不安感ともいえる感覚は何なのか。
「バッテリー」など若者をテーマにした著作が多い作家、あさのあつこさんは「今の大人が18歳を大人と認めて接することができるのか疑問だ。大人とは何なのか、国民全体で考えていかなければならない」と指摘する。つまり、18歳を大人と認めるかについて、大人側の“覚悟”が固まっていないのでは、との見方だ。
18歳成人の実現に本当に必要なのは、大人側の意識変革なのかもしれない。(白)