使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を燃やすプルサーマル発電で、九州電力は5日、MOX燃料を装填(そうてん)した玄海原子力発電所3号機(佐賀県玄海町、118万キロワット)の原子炉の試運転を午前11時に開始したと発表した。国内初のプルサーマル発電は同日深夜、MOX燃料の核分裂が安定して連鎖する「臨界」に達する予定。国の最終検査を経て12月2日に営業運転を開始する。
九電は8月末に3号機の定期検査に着手。10月15日から4日間で使用済みウラン燃料を再処理して取り出したプルトニウムを利用したMOX燃料16体を原子炉に装填していた。
プルサーマル発電は、ウランやプルトニウムの有効利用につながるとされる。国が進める核燃料サイクルの中核に位置づけられ、資源小国日本にとってエネルギー政策の重要な柱。ウラン資源を1〜2割節約できるほか、再処理することで放射性廃棄物の体積を減らせる利点がある。
当初は、東京電力や関西電力が先行していたが、その後のデータ改竄(かいざん)などの相次ぐ不祥事で延期。平成18年3月に地元同意を得た九州電力が10年遅れで、プルサーマルのトップバッターを務めることになった。
電気事業連合会は22年度までに電力業界全体で、16〜18基の原子力発電所でプルサーマル発電を実施する計画だったが、今年6月に5年後の27年度に延期。地元との調整は依然として大きな課題になっている。