■2人から睡眠薬 殺人視野に捜査
埼玉県警に詐欺容疑などで逮捕された無職女(34)=東京都豊島区=の交際相手で、今年8月に埼玉県内の駐車場で遺体で見つかった男性の死因に不審な点があることが27日、県警幹部への取材で分かった。5月にも女の知人で千葉県に住む男性が不審死しており、県警は2人について殺人事件の可能性もあるとみて捜査。また、都内と千葉で女の知り合いの男性2人も変死するなどしていたほか、女は別の4人にもうその結婚話をもちかけ現金をだまし取るなどしており、県警は全容解明を進める。
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高級外車を乗り回し、フランス料理店で食事…。知人男性の不審死が次々と発覚している女は今年に入り、生活が急に派手になり、高価な買い物を繰り返していた。
「いつも胸元の大きく開いた黒のワンピースを着ていた。疲れた中年女性という印象だった」。女が今年8月から住んでいた東京・西池袋のマンションの住民はそう話す。
不動産関係者によると、「地味な外見」だった女は今年に入ってから急に生活が派手に。シルバーのベンツを購入し、5月ごろにワインレッドのより高級なベンツに買い替えたという。
自分のブログに、高級ホテルでフランス料理などを食べたときの写真も掲載。「誰もがうらやむような高級店。それが週に3回くらい、次々と違う店に更新された」(不動産関係者)という。今年5月17日付のブログでは、2日前に安藤建三さん宅が全焼した火災について触れたとみられる次のような記述もあった。「(ヘルパーの)お手伝いをして帰宅し、数時間後の出来事…」
北海道別海(べつかい)町出身。小中学校で1学年下だった男性は「おとなしかった。部活は吹奏楽で成績はかなり良かった。中学校時代に両親が離婚し、都内の高校に進学した。その後、父親が自殺した」と話す。
大出嘉之さんが車内で遺体で見つかった今年8月以降、埼玉県警の捜査で女が浮上。詐欺容疑で逮捕される9月下旬まで、女が外出する際には県警の捜査員が張り付き、女も気づいていたが、無視を決め込んでいたという。
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県警によると、埼玉県内で不審死したのは、東京都千代田区神田神保町の会社員、大出嘉之さん=当時(41)。大出さんは8月6日、同県富士見市針ケ谷の駐車場の乗用車内で死亡しているのが見つかった。車は内側からロックされ、車内には七輪に入った練炭があった。車のカギは現場になく、大出さんの血液から睡眠導入剤が検出。捜査関係者によると、睡眠導入剤は女が病院で処方されていた薬の成分と一致した。
県警によると、女は大出さんの遺体が見つかる前日、この駐車場で大出さんと会っていたことを認めているという。大出さんは遺体で見つかる約20時間前、ブログに近く結婚することなどを書き込んでいた。
女がヘルパーとして出入りしていた千葉県野田市の安藤建三さん=当時(80)=は5月15日、自宅が全焼する火事で死亡。安藤さんの遺体からも睡眠薬の成分が検出された。息子と2人暮らしで火事は息子の留守中に発生していた。
ほかにも女と接点があって死亡した男性は2人確認されている。警視庁によると、そのうち、東京都青梅市の50代男性は今年1月31日ごろに自宅で死亡しているのが見つかったが、室内には練炭があったという。
女は、インターネットの出会い系サイトで知り合った長野県の50代男性と静岡県の40代男性に結婚話を持ちかけ現金をだまし取ったとして、9月に詐欺などの疑いで逮捕され、10月21日に起訴された。起訴状などでは、平成20年8〜12月、男性に「専門学校生で学費が必要」などとメールを送り、結婚する気があるように装って約330万円をだまし取ったとされる。10月21日には、別の2件の詐欺未遂容疑で再逮捕。県警によると、大出さんも女から500万円をだまし取られた疑いがあるという。