野村ホールディングス(HD)が28日に発表した平成21年9月中間決算(米国会計基準)は、最終損益が前年同期の1494億円の赤字から391億円の黒字に転換した。9月中間期での最終黒字は2年ぶり。金融危機の影響がひとまず収束したほか、昨秋破綻(はたん)した米証券大手リーマン・ブラザーズの部門買収により、7〜9月期に海外からの収益が国内を初めて上回ったため。ただ、米大手証券と比べて利益水準はまだ低く、株価も低迷している。今後は、4300億円規模の公募増資で調達した資金を事業拡大につなげられるかが問われる。
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■海外部門が好調
米サブプライムローン(低所得者向け高金利型住宅ローン)問題の影響などで巨額の最終赤字となった前年同期から急回復した。市況の改善を追い風に、世界で株式や債券などの取引を行う「グローバル・マーケッツ部門」が牽引(けんいん)。同部門が4〜9月期に叩き出した税引き前利益は1090億円に達した。
海外からの収益が国内を上回ったことについて、この日会見した野村HDの仲田正史執行役(財務統括責任者)は「リーマンの事業継承から1年がたち、大きな(成長の)エンジンとして稼働し始めている」と述べた。
ただ、米金融大手、ゴールドマン・サックスが今月発表した7〜9月の最終利益は31億8800万ドル(約2900億円)で、野村の10倍以上。利益水準には「満足していない」(仲田執行役)としている。まだ、黒字体質定着に向けた一歩の段階で、海外の大手と渡り合うには一段の事業拡大が必要となる。
■株価は低迷
野村は巨額増資による一株当たりの価値の希薄化懸念などから株価も低迷。28日の終値は643円で、6月につけた取引時間中の年初来高値から3割も低い水準だ。仲田執行役は「金融規制の変化に対応するとともに、成長のアクセルを踏むためだ」と、増資の必要性を強調。また「米国は潜在市場として大きい」として、資金を米事業の再構築にまわす考えだ。
リーマンの部門買収で得た人材と増資による資金を生かした事業拡大が今後の焦点となる。まずは、3年ぶりとなる22年3月期通期の黒字化が最優先課題だ。
7〜9月期の最終利益は277億円となり、2四半期連続で黒字を確保。業績の改善傾向は進んでいる。