昨年11月に経営破綻(はたん)した元東証1部上場の建設会社「オリエンタル白石」(東京都千代田区)の会社更生法の適用申請公表前に、同社員や中堅の信用調査会社「東京経済」(北九州市)の社員らが破綻情報を入手し、株のインサイダー取引を行っていた疑いのあることが29日、分かった。証券取引等監視委員会は30日に金融商品取引法に基づき、関与した数人に対し課徴金を科すよう金融庁に勧告する。
信用調査会社の社員がインサイダー取引で課徴金勧告を受けるのは初。重要な企業秘密を知りうる立場だけに、情報管理態勢と社員のモラルが問われそうだ。
オ社は昨年11月26日、資源高騰による不況などのため約605億円の負債を抱え、東京地裁に会社更生法適用を申し立てた。市場関係者によると、オ社幹部は社内で混乱しないよう社員向けメールを事前に作成。本来は申し立て公表後に送信する予定だったが、誤って前日の25日に送信した。
メールを受け取った複数の社員とオ社関係者から情報を入手した東京経済社員は株価下落に備え、所有するオ社株を売って損失を回避したり、空売りして値下がり後に買い戻すなどして不正な利益を得たという。株価は公表日の11月26日に109円(終値)だったが、翌27日は59円(同)に12月3日には1円(同)に急落した。
東京経済は昭和36年に設立。国内29カ所に事業所があり、社員は約250人。規模としては、帝国データバンク、東京商工リサーチに次いで業界3位。
産経新聞の取材に、東京経済側は文書で「コメントは控える」と回答。オリエンタル白石側は「調査を受けているのは確かだが、詳細は言えない」としている。