太陽光発電設備で発電した電力のうち、使い切れなかった余剰分を電力会社が買い取る新制度が11月1日から始まる。太陽光発電の導入を拡大することで、省エネや温暖化対策に役立てることが目的だが、設備の設置には多額の費用がかかる。導入するかどうかは、制度による家計への負担、各自治体の補助金の内容などを十分に確認したうえで検討した方がよさそうだ。(森本昌彦)
≪一般家庭は負担増≫
新制度での余剰電力買い取り額は住宅用で1キロワット時当たり48円で、現在電力会社が買い取っている価格の約2倍。非住宅用は1キロワット時当たり24円で、住宅に設置した場合でも太陽光パネルの出力が10キロワット以上だと非住宅用の価格が適用される。
買い取り期間は10年で、代金は毎月口座に振り込まれる。制度を利用する家庭は、各電力会社に買い取りを申し込んだ際の価格が10年間続く。1キロワット時当たり48円という価格は23年3月31日まで維持されるため、この日までに申し込んだ家庭の場合、48円の価格が10年間適用。それ以降は太陽光パネルの価格が徐々に下がるとみられるため、引き下げられていく予定だ。
電力会社が買い取った費用は平成22年4月から始まる「太陽光サーチャージ」で、発電設備を持たない世帯も含め全世帯の電気利用料金に加算される。電力会社から供給された電気をどれだけ使用するかによって価格は変わるが、太陽光発電を導入していない一般家庭の場合、将来的に数十〜100円程度の負担増になる見通し。
太陽光発電を導入しても発電できない夜間などは電力会社から電気の供給を受けるため、ある程度は負担する必要がある。
来年のサーチャージのスタートで「太陽光発電を導入しない家庭は負担が増えることになる」と、導入を考える人も多いだろう。では、設備の設置にはどの程度の費用がかかるのか。
経済産業省が今年1〜3月に個人から受け付けた補助金申請実績をもとに平均価格をみたところ、新築住宅では、標準的な出力3・5キロワットのシステムで約185万円。既築住宅の場合は約225万円かかる。導入にあたっては、1キロワット当たり7万円の補助が国から出るほか、自治体の補助などもあり、同省は新築で10年ほど、既築では15年ほどで導入コストを回収できるとしている。
≪見積もりは複数で≫
太陽光発電設備を設置する場合、気をつけたいポイントがある。
住宅メーカーや電機メーカーなど太陽光発電にかかわる事業者でつくる太陽光発電協会(東京都港区)は「導入の際は自宅の周囲にビルなどがあり太陽光が遮られないか確認してほしい。近くにビルがなくても、ある時間になると日が当たらないこともあるので自身で日射状況を見ることが大事だ」と話す。
そのうえで、「中には消費者を惑わせるような業者もいる。トラブルに遭わないため、2社以上の業者からカタログを取り寄せたり、見積もりを取って比較検討した方がいい」と呼びかけている。
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■補助金の復活で導入は増加傾向
家庭用太陽光発電システムの導入件数は増加傾向にある。
新エネルギー導入促進協議会によると、国の補助金制度が打ち切られた後の平成18、19年度には前年を下回る件数となったが、今年1月に補助金が復活したこともあり、20年度は5万5100件で、19年度の4万9425件を上回った。導入する際の補助金の申請件数も1〜3月には1日当たり平均300〜400件だったが、10月には平均600〜700件を超えた。