総務省が30日発表した9月の完全失業率(季節調整値)は前月より0・2ポイント低下の5・3%となり、2カ月連続で改善した。厚生労働省が同日発表した9月の有効求人倍率(同)も0・01ポイント上昇の0・43倍と2年4カ月ぶりに改善したが、水準自体は依然として低く、年末へ向けて厳しい雇用情勢が続きそうだ。
「雇用の厳しさに対する現状認識を変えるものではない」。長妻昭厚労相は同日の閣議後会見で慎重な見方を示した。
男女別の失業率は男性が前月より0・2ポイント低下の5・6%、女性が0・1ポイント低下の4・9%。完全失業者数は前年同月比92万人増の363万人と11カ月連続で増加し、平成15年4月に記録した過去最大の385万人に近づいてきた。
求職者1人に対する求人数を示す有効求人倍率もわずかに改善した。新規求人数が増加したことが主因。背景には建設・製造業で臨時雇用などが増えたことがあり、政府の景気対策による一時的な底上げも効いているとみられる。
ただ、市場には「経済環境は改善しておらず、政策効果が失速すれば失業率はゆるやかに上昇していく」(野村証券金融経済研究所の木内登英(たかひで)チーフエコノミスト)との厳しい見方が多い。
政府も職業訓練の拡充などを盛り込んだ緊急雇用対策を打ち出し、来年3月末までに約10万人の雇用創出・下支えを見込むが、まずは非正規労働者の契約更新が集中する年末がヤマ場になる。